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【2026年版】東陽監査法人の年収・初任給と採用の実態|公式データで検証

論文式試験のあと、準大手を1法人ずつ調べ始めると情報量の差に驚きます。東陽監査法人はその典型で、検索しても出てくるのは口コミサイトの推測値ばかり。年収がいくらなのかも、どのくらいの規模なのかも、出典のある数字にたどり着きません。

そこでこの記事では、東陽監査法人が自分で公表している一次情報だけを使って、初任給・待遇・規模・採用の中身を組み立て直しました。定期採用の募集要項、業務及び財産の状況に関する説明書類、監査品質のマネジメントに関する年次報告書。使ったのはこの3つと、金融庁の公認会計士・監査審査会が出している公表資料だけです。

口コミサイトの平均値は1つも使っていません。そのぶん「分からないことは分からない」と正直に書きます。読み終わる頃には、東陽を第一志望にするかどうかを自分で判断できる材料がそろいます。

この記事の要点

  • 東陽の初任給は月給350,000円以上・固定残業代なし。時間外勤務手当は別途支給されます※1
  • 公式の募集要項で条件を確認できた8法人のうち、資格取得報奨金と転居費用の補助(100km以上の転居で30万円)を書いているのは東陽だけ※1
  • 年間平均執務時間は常勤職員1,731時間(2024年度)、有給休暇取得率は86%。準大手4法人中3法人が執務時間を公表しています※3

東陽監査法人とは、どんな規模の法人か

東陽は人員366人・3事務所で被監査会社等212件を担当する準大手監査法人で、第55期の業務収入は46億8,491万円です※2※3。まず数字で全体像をつかんでおきます。

正式名称は東陽監査法人。国際会計事務所ネットワークであるCrowe Globalのメンバーで、太陽・三優・仰星と並ぶ準大手監査法人の1つです。金融庁の公認会計士・監査審査会がまとめた資料によると、日本には296の監査法人があり、監査業務収入4,303億円のうち77.9%が大手4法人に集まっています※12。残りを準大手と中小で分け合う構図です。

項目数字時点・注記
人員数366人2025年6月末。公認会計士246人・新試験合格者66人・その他54人※3
社員(パートナー)49人(うち代表社員7人)2025年6月30日現在。特定社員制度は採用していない※2
事務所3か所(東京・大阪・名古屋)2025年6月30日現在。公認会計士である使用人は東京157人・大阪23人・名古屋17人※2
被監査会社等212件(うち大会社等88件)2025年6月30日現在。前年度末より18件減※2
業務収入(第55期)46億8,491万円監査証明業務46億2,324万円/非監査証明業務6,167万円※2
責任の形無限責任監査法人社員が出資者として直接無限責任を負う形。有限責任監査法人ではない※2
沿革1971年設立の監査法人日東監査事務所が源流1981年に東陽監査法人へ改称して大阪・名古屋を開設、2018年にCrowe Globalと業務提携※2

見落とされがちなのが、東陽が無限責任監査法人である点です※2。大手4法人と太陽はいずれも有限責任監査法人ですが、東陽は違います。社員(パートナー)が法人の債務について直接無限責任を負う形。規模を追わずに組織の形を保ってきた法人だと読み取れます。

もう1つ、被監査会社等212件のうち88件が大会社等です※2。規模に対して上場企業の比率が高い構成で、金商法・会社法監査の80社には銀行や証券会社も含まれます。

2027年7月1日に予定されている合併について

三優監査法人と仰星監査法人は、「監査法人BDO Japan」の創設に向けて合併することで基本合意しました。合併予定日は2027年7月1日です。

  • 両法人は対等の精神に基づいて合併します。法令上の手続としては、仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式が想定されています。
  • 合併後の規模は業務収入 約110億円(2026年6月期見込)・人員822人(非常勤を含む)・被監査上場会社192社と公表されています。いまのどちらの法人よりも大きな規模になります。
  • 2027年に入所する人は、2027年7月1日に所属する法人の名称が変わります。初任給や待遇の条件は、各法人がいま公表している募集要項が基準です。

この記事で準大手4法人(太陽・三優・東陽・仰星)として並べているのは、2027年6月30日までの区分です。

出典:三優監査法人「「監査法人BDO Japan」の創設に向けた検討について」(2026年7月27日公表・2026年8月31日確認)

東陽監査法人の初任給は月給350,000円以上。中身を分解する

東陽の初任給は法人規定により月給350,000円以上で、固定残業代は含みません※1。定期採用の募集要項にそう書かれています。

効いてくるのは「以上」と「固定残業代なし」の2つです。350,000円が下限として示されていること、そして固定残業代が入っていないため時間外勤務をした分は原則そのまま時間外勤務手当として支給されること。固定残業代を含む法人では、その時間までは追加の支給がありません。

募集要項に書かれている条件を並べると、こうなります※1。

  • 給与:法人規定による(月給350,000円以上)。時間外勤務手当は別途支給、固定残業代なし
  • 賞与:年2回(原則として6月・12月)。ほか決算賞与の実績あり、資格取得報奨金、在宅勤務給付金
  • 昇給:年1回
  • 諸手当:時間外勤務手当、通勤手当、休日出勤手当
  • 転居費用補助:100km以上の転居を伴う場合に30万円
  • 勤務時間:10時から18時(休憩60分)。時間外労働あり
  • 試用期間:3ヶ月
  • 採用予定人数:20名程度
  • 勤務地:東京・名古屋・大阪

始業が10時である点は、募集要項の条件として見落とされがちです。大手の多くが9時台の始業なので、朝の使い方が変わります。

準大手と大手の初任給を、額面と中身の両方で並べる

初任給の記事でよく見るのは、額面だけを並べた表です。それだと固定残業代が入っている法人と入っていない法人が同じ土俵に並んでしまいます。各法人の公式募集要項から、内訳ごと引き写した表がこちらです。

法人(正式名称)月額額面の中身賞与出典
東陽監査法人350,000円以上固定残業代なし。時間外勤務手当は別途支給年2回(原則6月・12月)+決算賞与の実績あり※1
太陽有限責任監査法人365,000円固定残業代なし。時間外手当は別途支給年3回(6月・8月・12月)※5
三優監査法人350,000円固定残業代なし。残業代は別途支給年2回※6
仰星監査法人350,000円(東京事務所)固定残業代なし年2回(6月・12月)+業績により決算賞与※7
有限責任あずさ監査法人365,000円首都圏手当20,000円+ワークサポート手当(東京)10,000円を含む。固定残業代なし年2回※8
EY新日本有限責任監査法人首都圏365,000円/地区347,000円固定残業代の記載なし。時間外手当は別途支給年2回(6月・12月)※9
有限責任監査法人トーマツ東京・横浜365,000円/その他345,000円固定残業代の記載なし。時間外勤務手当は別途支給年2回(12月・9月)※10
PwC Japan有限責任監査法人420,300円月30時間分の時間外勤務手当を含む。超過分は別途支給。新卒採用(監査職)の額で、応募要件は米国公認会計士試験の全科目合格者業績賞与 年1回※11

この表の母数は公式の募集要項で条件を確認できた8法人です。準大手4法人(太陽・三優・東陽・仰星)と大手4法人を、同じ募集要項という材料でそろえています。

そのうえで読み取れることが2つあります。1つ目、東陽の350,000円以上は、大手3法人の首都圏の月額より15,000円ほど低い水準です※1※8※9※10。ただしトーマツの首都圏以外は345,000円、EY新日本の地区は347,000円なので、地方の事務所まで含めると差は縮まります。2つ目、8法人のうち資格取得報奨金と転居費用の補助を募集要項に書いているのは東陽だけです※1。金額が公表されているのは転居費用の30万円のほうで、報奨金の額は書かれていません。

月額の差だけを見て切り捨てるか、報奨金や補助まで含めて見るか。ここは自分の状況によります。地方から東京へ出る人にとって、初年度の30万円は月額の差1万5千円の20か月分に相当します。

法人ごとの初任給をもっと広く見比べたい人は、監査法人の初任給ランキングで大手・準大手・中小を横断して整理しています。

初任給の位置が分かったら、次に気になるのは「入所したあとどう上がるのか」です。その前に、法人選びの全体像を押さえておきたい人はこちらから。

入所後の年収はどう上がるのか。役職5段階で見る

監査法人の年収は役職で段が変わり、マネージャー以上は年俸制に切り替わって賞与という形の支給がなくなります。この構造は大手にも準大手にも共通です。

気になるのは3年目や5年目にいくらもらえるのかというところだと思います。ところが、東陽の募集要項が公表しているのは初任給と「賞与年2回・昇給年1回」まで※1。役職ごとの年収レンジは公表されていません。ここを推測値で埋めている記事が多いのですが、この記事では書きません。代わりに、給与の決まり方がどこで変わるのかを整理します。

スタッフとシニアスタッフの時期は、月給と賞与の組み合わせです。東陽の場合は原則6月と12月の年2回に加え、決算賞与の実績があると書かれています※1。法人の業績や評価で月数が動くため、同じ役職でも年によって年収が変わります。

マネージャーに上がると年俸制になり、賞与という名目の支給はなくなります。年収の総額が下がるという意味ではなく、受け取り方が「月給+賞与」から「年俸の12分割」へ変わるということです。ここを誤解したまま「マネージャーになると賞与が消える」と受け取る人がいます。

役職・年齢ごとの相場を数字で追いたい場合は、監査法人の年収を年齢・役職別に整理した記事と、パートナーの年収と到達難易度をまとめた記事が参考になります。

資格手当と家賃補助は、募集要項に載っていない

東陽の募集要項を確認したところ、資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※1。これは東陽に限った話ではなく、監査法人には基本的に資格手当も家賃補助もありません。あずさ、EY新日本、トーマツ、太陽の募集要項でも同じく記載がありませんでした※5※8※9※10。転勤も基本的にありません。

ただし東陽には、賞与の欄に資格取得報奨金と在宅勤務給付金が並んでいます※1。毎月の手当ではありませんが、名前のとおり資格の取得に対して支払われるものです。金額は公表されていません。

実費の負担も募集要項に書かれています。実務補習所の入所料と補習料、公認会計士協会の登録費と会費が入所月以降は全額法人負担、修了考査の受験料と専門学校の費用も条件つきで負担、加えてノートPC・セカンドモニタ・スマートフォンの貸与、書籍購入の補助まで並びます※1。合格後にかかる自己負担は放っておくと数十万円の規模になるので、ここは1年目の家計に直接効きます。

働き方と待遇で気になりやすい4点を、公表資料で確かめる

入所前に働き方や待遇が気になるのは、東陽に限らず準大手監査法人すべてに共通します。就職先として比べる以上、条件を自分の目で確かめたくなるのは自然なことです。

ここでは、気になりやすい4つの点を、一次情報で確かめられる範囲だけ検証します。確かめられないものは「公表されていない」と書きます。推測で埋めても、あなたの判断材料にはならないからです。

気になりやすい点一次情報で確かめられること確かめられないこと
繁忙期の労働時間年次報告書に年間平均執務時間の記載あり。常勤職員1,731時間(2024年度・前年度は1,871時間)、有給休暇取得率86%※3。募集要項は固定残業代がなく時間外勤務手当が別途支給される※1月ごとの残業時間と繁忙期のピーク(準大手4法人とも公表していない)
組織の規模と担当する会社被監査会社等212件のうち大会社等88件、金商法・会社法監査は80社※2。上場国内会社の会計監査人シェアは準大手全体で15.9%(2026年3月末)※121人が担当する社数、配属の希望が通る割合
初任給の水準月給350,000円以上・固定残業代なし※1。大手3法人の首都圏より15,000円ほど低く、トーマツの首都圏以外345,000円・EY新日本の地区347,000円とはほぼ同水準※8※9※10入所後の昇給幅(昇給は年1回とだけ公表※1)
手当の内容資格手当・家賃補助・住宅手当の記載なし。代わりに資格取得報奨金・在宅勤務給付金・転居費用補助30万円(100km以上)・実務補習所費用と協会登録費の全額負担※1資格取得報奨金と在宅勤務給付金の金額

表を見ると分かるとおり、気になりやすい点は、確かめられるものと確かめられないものが混ざっています。年間平均執務時間のように法人が数字で出しているものもあれば、配属の希望が通る割合のように出ていないものもある。断定している記事は、後者を推測で埋めています。

1つ補助線を引いておきます。審査会の資料によると、上場国内会社の会計監査人のシェアは大手56.6%・準大手15.9%・中小27.5%(2026年3月末)で、大手から準大手や中小へ会計監査人を変える動きが続いていると書かれています※12。準大手が受け取る上場企業の監査は減っていません。

働き方の実態をもう少し広く比べたい人は、残業・有給・離職率で監査法人を比較した記事を見てください。法人ごとに公表状況が違うことも含めて整理しています。

監査の品質や法人の運営については、金融庁と公認会計士・監査審査会が検査や処分の結果を公表しています。どの法人について何があったかは、公表資料で誰でも確認できます。この記事は就職の条件に絞って扱うため個別には取り上げませんが、気になる人は次の2つを見てください。

働く環境として、公表されている数字はどこまであるか

東陽が数字を出しているのは監査品質のマネジメントに関する年次報告書です。有給休暇取得率86%、年間平均執務時間、男女の賃金の差異などが載っています※3。採用サイトだけを見ていると、この報告書を見落とします。

男性の育児休業取得率100%、有給休暇取得率86%、育児休業復帰率66%、専門要員に占める女性の割合24%、管理職に占める女性の割合10%。いずれも法人自身が集計した数値です※3。第三者の統計ではないため、法人間で単純比較できる性質のものではありません。

報告書には男女の賃金の差異も載っています。男性の賃金に対する女性の賃金の割合が、常勤63%・非常勤128%・全体74%※3。この種の数字まで出している準大手は多くありません。開示の姿勢そのものを判断材料にする、という見方もできます。

人員の動きも読み取れます。2024年6月末の351人から2025年6月末は366人へ、1年で15人増えました※3。

年間平均執務時間は、準大手4法人中3法人が公表している

準大手4法人(太陽・三優・東陽・仰星)の監査品質に関する報告書を4本とも開いたところ、監査に携わる人の年間平均執務時間を数字で出していたのは3法人でした。募集要項には載っていないので見つけにくいだけで、「どこも公表していない」わけではありません。

法人年間平均執務時間集計の区分と期間出典
太陽社員2,400時間/職員1,938時間2025年6月期※13
三優公表なし該当の記載なし※15
東陽常勤職員1,731時間/非常勤職員491時間2024年度※3
仰星パートナー1,937.2時間/職員1,787.1時間2025年度※14

読むときの注意が3つあります。1つ目、執務時間は残業時間ではありません。所定の労働時間を含んだ、1年間に働いた時間の合計です。2つ目、集計の区分が法人ごとに違います。太陽と仰星は社員(パートナー)と職員で分けていますが、東陽は常勤職員と非常勤職員で分けています。3つ目、算出方法も揃っていません。東陽は各月の合計執務時間を各月の在籍者数で割った月別平均を12か月分足す方法だと注記しています※3。数百時間の差をそのまま法人の優劣として読める数字ではありません。

東陽については、前年度との比較も報告書に載っています。常勤職員は2023年度の1,871時間から2024年度は1,731時間へ、非常勤職員は547時間から491時間へ、どちらも減りました※3。月ごとの残業時間と繁忙期のピークは、準大手4法人のいずれも公表していません。そこは説明会や面接で聞く論点として残ります。

退職率と有給休暇も、公表している法人が分かれる

退職率か離職率を数字で出しているのは4法人中2法人、有給休暇取得率を出しているのは4法人中3法人です。執務時間ほどには揃いません。

法人退職率・離職率有給休暇取得率出典
太陽公表なし78.6%(2025年6月期)※13
三優離職率7.2%(2024年度)公表なし※15
東陽公表なし86%※3
仰星退職率9.2%(非常勤職員を除く・2025年度)77.8%(2025年6月期)※14

「公表なし」は推測で書いたものではありません。4法人分の報告書(東陽はTransparency Report 2025、太陽はQuality Report 2025、仰星はQUALITY REPORT 2025、三優は監査品質向上への取り組み 2025)と、各法人の募集要項および業務及び財産の状況に関する説明書類を実際に開き、退職率・離職率・有給休暇の語で本文を探した結果です※1※2※3※13※14※15。4法人すべてを確認したうえで、記載がなかったところを「公表なし」としています。呼び方も定義も揃っていないので、7.2%と9.2%を並べて比べることはできません。

制度として書かれているもの

募集要項に列挙されている休日休暇と福利厚生を、そのまま並べます※1。

  • 休日休暇:土曜・日曜・祝日(1年単位の変形労働時間制の運用あり)、年末年始、夏期休暇、試験休暇(実務補習所の修了考査等)、メモリアル休暇、リフレッシュ休暇、慶弔休暇
  • 育児と介護:産前産後休暇、育児休業制度、介護休業制度、子の看護等休暇、家族の介護休暇、育児による時短制度(子が小学校を卒業するまで)、介護による時短制度
  • 各種制度:各種資格取得支援制度、企業型確定拠出年金制度、在宅勤務制度、メンター制度
  • 費用の負担:実務補習所の入所料と補習料、公認会計士協会の登録費と会費を入所月以降は全額法人負担。修了考査の受験料と専門学校の費用も条件つきで負担
  • その他:ノートPC・セカンドモニタ・スマートフォンの貸与、業務災害総合保険、保養施設の利用補助、書籍購入の補助、部活動

育児による時短制度が子の小学校卒業まで使える点は、法定の基準(原則3歳未満)よりかなり長く設定されています。長く働き続ける前提で制度を作っている法人かどうかは、こういうところに出ます。

東陽の採用スケジュールと、2026年合格者の動き方

東陽はイベントを論文式試験の直後から開き、エントリーと面接は合格発表後に行うと募集要項に明記しています※1※4。この組み合わせは法人によって違います。

大手には接触禁止期間があり、合格発表前に選考へ進むことはできません。準大手・中小にはそれがないため、論文式試験の直後から説明会や個別相談会が数多く開かれます。「まず準大手・中小を見てから大手を受ける」という順番が、制度上そもそも組みやすい。日程の作りがそうなっています。

東陽の場合、イベントには早く出られるものの、選考自体は合格発表を待ちます。9月から11月は法人を見る時間として丸ごと使えるということ。11月まで何もしないでいると、合格発表から内定承諾までの2週間で全部を決めることになります。

もう1つ、東陽の採用は原則として事務所ごとです。東京事務所で面接を受けた場合は原則として東京事務所勤務になり、希望する勤務地が複数ある場合は面接時に相談してほしい、と採用サイトに書かれています※1。志望する事務所は先に決めておいたほうがよさそうです。

選考の準備そのものについては、合格直後からの就職活動の進め方をまとめた記事で、説明会から内定承諾までの動き方を扱っています。

東陽が合わないと感じたら、どこを見ればいいか

初任給の差が月1万5千円ほどである以上、法人選びの決め手は給与以外の要素になります。任される速さ、勤務地、大企業の比率、法人の形。この4つで自分に当ててみてください。

東陽が強いのは、規模に対する上場企業の比率と、1人が触れる範囲の広さです。社員49人と公認会計士である使用人197人で212件を担当しているので、少人数のチームで動く場面が多くなります※2。

逆に、勤務地の選択肢は3つしかありません。地方で働きたい人にとっては、ここが最初の分かれ道になります。グローバル企業の連結監査を数多く見たい人にも、母数の差が壁になります。監査業務収入の77.9%は大手4法人に集まっているからです※12。

同じ準大手でも、法人ごとに色はかなり違います。準大手は太陽・三優・東陽・仰星の4法人で、拠点数も被監査会社の構成も、有限責任か無限責任かという法人の形すら揃っていません。準大手監査法人の特徴を就活目線でまとめた記事と、中小監査法人を一覧で比較した記事で、1法人ずつ見ていくのが結局いちばん早い道です。

大手・準大手・中小の違いを横断で確かめたいなら、監査法人の比較ガイド大手監査法人(BIG4)の特徴をまとめた記事から入るのがおすすめです。

よくある質問

東陽監査法人の初任給はいくらですか?

定期採用の募集要項に記載されている月給は法人規定により350,000円以上で、固定残業代は含みません※1。賞与は年2回(原則6月・12月)で決算賞与の実績もあり、昇給は年1回です。時間外勤務手当は別途支給されます。

東陽監査法人の年収は大手より低いのですか?

初任給の月額で見ると、東陽の350,000円以上は、あずさ365,000円、EY新日本の首都圏365,000円、トーマツの東京・横浜365,000円より15,000円ほど低い水準です※1※8※9※10。ただしトーマツの首都圏以外は345,000円、EY新日本の地区は347,000円です。役職ごとの年収レンジは各法人とも公表していないため、入所後の差については公開情報から比較できません。

東陽監査法人の働き方や待遇は、公開情報でどこまで分かりますか?

確かめられる数字はあります。監査品質のマネジメントに関する年次報告書によると、年間平均執務時間は常勤職員1,731時間(2024年度・前年度は1,871時間)、有給休暇取得率は86%、男性の育児休業取得率は100%です※3。募集要項は固定残業代がなく時間外勤務手当が別途支給されます※1。一方で月ごとの残業時間、繁忙期のピーク、退職率は公表されていないため、そこは公開情報だけでは判断できません。

東陽監査法人には家賃補助や資格手当がありますか?

募集要項には資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※1。代わりに賞与の欄に資格取得報奨金と在宅勤務給付金が挙げられており、100km以上の転居を伴う場合には30万円の転居費用補助があります。実務補習所の費用と公認会計士協会の登録費・会費は入所月以降が全額法人負担です。

東陽監査法人の採用人数と事務所の場所を教えてください。

定期採用の採用予定人数は20名程度で、応募資格は公認会計士論文式試験の全科目合格者です※1。事務所は東京・大阪・名古屋の3か所で、採用は原則として事務所ごとに行われます※1※2。エントリーと面接は合格発表後を予定していると募集要項に書かれています。

東陽監査法人は過去に行政処分を受けたことがありますか?

監査法人への行政処分や検査結果は、金融庁公認会計士・監査審査会が公表しています。過去の有無は法人によって違うので、リンク先で法人名を探して確かめてください。この記事は就職の条件を扱うため、個別の処分の中身には立ち入りません。

まとめ

東陽監査法人の初任給は法人規定により月給350,000円以上で、固定残業代は含みません※1。大手3法人の首都圏より15,000円ほど低い一方、資格取得報奨金と転居費用補助30万円は8法人のうち東陽だけが募集要項に書いています。額面の数字より、中身の構成を見るほうが実態に近づきます。

要点を3行で。給与の差は月1万5千円ほどなので、そこだけでは選び分けられません。年間平均執務時間・有給休暇取得率・男女の賃金の差異まで法人が数字で出しており、断定している記事の多くは公表されていない領域を推測で埋めています。だから決め手は、任される速さ・勤務地・大企業の比率・法人の形という自分の優先順位に戻ってきます。

東陽を第一志望にするにしても、しないにしても、比べる相手を2つ3つ持ってから決めてください。準大手を1法人ずつ、中小も1法人見ておくと、大手の面接で話す内容まで変わります。急がば回れ、です。

参考文献・出典