「女性の公認会計士は、男性より年収が低いって本当?」「出産や育児を経ても稼ぎ続けられるの?」。将来を考えるほど気になるテーマですよね。結論から言うと、女性公認会計士の平均年収は男性より低い傾向がありますが、その差はライフイベントによる働き方の違いが主な要因で、能力差ではありません。資格を活かせば、ライフイベント後も長く安定して稼げる職業です。
この記事では、厚生労働省や日本公認会計士協会の一次データをもとに、女性公認会計士の年収と男女差の実態を明らかにします。そのうえで、出産・育児を経ても稼ぎ続けられる理由と、長く働くための職場選びのポイントを解説します。
この記事の要点
- 公認会計士・税理士の平均年収は男性851万円・女性691万円(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)。差は約160万円
- 差の主因は産休・育休や時短勤務による稼働時間の違い。資格・能力の差ではない
- 女性比率(準会員を含む)は2000年7.5%→2024年16.6%へ倍増。協会は2048年度までに30%を目標に活躍を後押し
- 公認会計士は資格で復職しやすく、監査・非常勤・独立・在宅など働き方の選択肢が広い
- 長く働く鍵は育休・時短の実績、在宅制度、両立支援が整った法人を選ぶこと
女性公認会計士の年収は?【男女別データ】
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、公認会計士・税理士の平均年収は男性851万円に対し女性691万円で、その差は約160万円です。まずは全体像をデータで確認しましょう。
女性の年収も691万円と、全職種平均と比べれば十分に高い水準です。ただし男性との差は確かに存在します。年代別に見ると、20代では差が小さく、30代以降で差が開く傾向があります。これは次に述べるライフイベントの影響が大きい時期と重なります。監査法人全体の年収水準は公認会計士の年収の中央値もあわせてご覧ください。
なぜ男女で年収差が出るのか?
男女の年収差は、能力や資格の違いではなく、出産・育児などライフイベントによる働き方の変化が主な要因です。
産休・育休による一時的な離職期間や、復帰後の時短勤務は、その期間の年収を押し下げます。とくに30代は昇進で年収が伸びる時期と出産・育児が重なりやすく、ここで差が生まれやすいのが実態です。裏を返せば、働き方さえ確保できれば、女性でも男性と同等に評価される職業だということです。公認会計士は成果や役職で報酬が決まるため、フルタイムで働き続ければ性別による差はほとんどありません。
重要なのは、この差が「一時的な稼働時間の差」であって「キャリアの上限の差」ではない点です。復帰後にフルタイムへ戻れば、年収も回復していきます。
女性公認会計士の割合はどれくらい?【推移と今後】
公認会計士に占める女性の割合(準会員を含む)は、2000年の7.5%から2024年には16.6%へと倍増し、今も増え続けています。業界全体で女性の活躍を後押しする動きが強まっています。
日本公認会計士協会は、2048年度(公認会計士制度100周年)までに会員の女性比率を30%へ、2030年度までに試験合格者の女性比率を30%へ引き上げる目標を掲げています※2。実際、近年の試験合格者の4〜5人に1人は女性です。両立支援や制度整備が進むほど、女性が長く働きやすい環境は広がっていきます。
ライフイベント後も公認会計士が「稼げる」理由
公認会計士は、出産・育児を経ても稼ぎ続けやすい職業です。理由は、資格による復職のしやすさと、働き方の選択肢の広さにあります。
- 資格で復職しやすい。公認会計士は国家資格のため、ブランクがあっても専門性が評価され再就職しやすい
- 非常勤・時短という選択肢がある。監査法人は非常勤の需要があり、育児と両立しながら実務を続けられる
- 在宅・リモートの定着。テレワークが広がり、場所に縛られず働きやすくなった
- 独立など多様なキャリア。会計事務所の開業や事業会社の経理・財務など、ライフステージに合わせて働き方を選べる
| 働き方 | 特徴 | 向いている時期 |
|---|---|---|
| フルタイム | 男性と同等に評価され年収も高水準 | ライフイベント前後で時間に余裕がある時期 |
| 時短勤務 | 育児と両立しやすい(年収は一時的に下がる) | 出産・育児期 |
| 非常勤 | 時間を選んで監査実務を継続できる | 復職初期・育児期 |
| 独立・開業 | 自分のペースで働ける | 経験を積んだ後 |
一度キャリアを離れても戻りやすく、フルタイム・時短・非常勤・独立と選択肢が広いのが、この資格の強みです。働きやすい法人ほど、こうした制度が実際に機能しています。
女性が長く働くための監査法人・職場の選び方
長く稼ぎ続けるには、育休・時短の実績、在宅制度、両立支援が実際に機能している職場を選ぶことが最も大切です。制度が「ある」だけでなく、使われているかまで確認しましょう。
| 確認する項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 育休・時短の取得実績 | 制度の有無でなく、実際の取得率や復帰率 |
| 在宅・フレックス | 繁忙期以外も柔軟に働けるか |
| 女性の在籍・管理職比率 | 女性が長く働き、昇進している実績があるか |
| 復職・非常勤の受け皿 | ブランク後や時短での受け入れ体制 |
柔軟な働き方は大手に限りません。人手不足を背景に、準大手監査法人(太陽・仰星・三優・東陽)や中小でも両立支援を整える法人が増えています※3。法人ごとの違いは監査法人の比較ガイドやホワイトな監査法人はどこかで確認できます。
2027年7月1日に予定されている合併について
三優監査法人と仰星監査法人は、「監査法人BDO Japan」の創設に向けて合併することで基本合意しました。合併予定日は2027年7月1日です。
- 両法人は対等の精神に基づいて合併します。法令上の手続としては、仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式が想定されています。
- 合併後の規模は業務収入 約110億円(2026年6月期見込)・人員822人(非常勤を含む)・被監査上場会社192社と公表されています。いまのどちらの法人よりも大きな規模になります。
- 2027年に入所する人は、2027年7月1日に所属する法人の名称が変わります。初任給や待遇の条件は、各法人がいま公表している募集要項が基準です。
この記事で準大手4法人(太陽・三優・東陽・仰星)として並べているのは、2027年6月30日までの区分です。
出典:三優監査法人「「監査法人BDO Japan」の創設に向けた検討について」(2026年7月27日公表・2026年8月31日確認)
女性公認会計士の年収に関するよくある質問
女性公認会計士の平均年収はいくらですか?
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、公認会計士・税理士の女性の平均年収は691万円です(男性は851万円)。全職種平均と比べれば十分に高い水準です※1。
なぜ女性の年収は男性より低いのですか?
主な要因は産休・育休や時短勤務による稼働時間の違いで、資格や能力の差ではありません。フルタイムで働き続ければ、性別による差はほとんどありません。
出産・育児の後も公認会計士として働けますか?
働けます。公認会計士は資格による復職のしやすさに加え、非常勤・時短・在宅など働き方の選択肢が広く、ライフイベント後も続けやすい職業です。
女性公認会計士の割合はどのくらいですか?
2024年12月末時点で16.6%(準会員を含む)で、2000年の7.5%から倍増しています。日本公認会計士協会は2048年度までに女性比率30%を目標に掲げています※2。
女性が長く働きやすい監査法人を選ぶには?
育休・時短の取得実績、在宅制度、女性の在籍・管理職比率、復職の受け皿を確認しましょう。制度の有無だけでなく、実際に使われているかまで見ることが大切です。
まとめ
女性公認会計士の平均年収は男性より低い傾向がありますが、その差はライフイベントによる働き方の違いが主因で、能力の差ではありません。公認会計士は資格で復職しやすく、非常勤・時短・在宅・独立と働き方の選択肢が広いため、出産・育児を経ても長く稼ぎ続けられる職業です。大切なのは、両立支援が実際に機能している職場を選ぶこと。気になる法人があれば、制度の運用実績を説明会で確認してみてください。
参考文献・出典
- ※1: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(一般労働者・職種別/公認会計士,税理士。2026年3月24日公表)https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html
- ※2: 日本公認会計士協会「2024年12月末現在の当協会の会員・準会員の女性比率について」(2025年1月21日公表)https://jicpa.or.jp/cpainfo/introduction/cpa_women/news/20250121ifr.html
- ※3: 公認会計士・監査審査会「モニタリングレポート」(準大手監査法人の区分)https://www.fsa.go.jp/cpaaob/shinsakensa/kouhyou/20250718/2025_monitoring_report.pdf
