企業の選び方

【2026年版】三優監査法人の年収・初任給と採用の実態|公式データで検証

「三優監査法人の年収って、実際どのくらいなんだろう」。論文式試験が終わって法人を絞り始めた頃に、この疑問にぶつかる人は多いはずです。検索して出てくるのは推測のレンジばかりで、どこから来た数字なのかが分かりません。待遇や働き方についても、公表資料に当たれば確かめられることは思ったより多くあります。

そこでこの記事では、三優監査法人が自分で公表している一次情報だけを使って、初任給・待遇・規模・採用の中身を組み立て直しました。募集要項、業務及び財産の状況に関する説明書類、法人概要、監査品質向上への取り組みの4つです。あわせて、金融庁の公認会計士・監査審査会が出している公表資料を使いました。

口コミサイトの平均値は一切使っていません。そのぶん「分からないことは分からない」と正直に書きます。読み終わる頃には、三優を第一志望にするかどうかを自分で判断できる材料がそろいます。

この記事の要点

  • 三優の2026年初任給は月給350,000円。固定残業代は入っておらず、残業代は別途支給されます※2
  • 準大手4法人の公式募集要項を並べると、月額は35万円から36万5千円の範囲に収まります。初任給の額面だけでは法人を選び分けられません※1※2※3※4
  • 働き方と待遇で気になりやすいのは4点。一次情報で確かめられるものと、公表されていないものが混ざっています。この記事では両方を分けて示します

三優監査法人とは、どんな規模の法人か

三優監査法人は人員382名・5事務所を持つ準大手監査法人で、第39期の業務収入は51億9,282万円です※9※10。まず数字で全体像をつかんでおきます。

公衆縦覧書類での名称は三優監査法人、法人サイトでの表記はBDO三優監査法人です。国際会計事務所ネットワークであるBDOのメンバーファームで、太陽有限責任監査法人、東陽監査法人、仰星監査法人と並んで準大手監査法人に数えられます。金融庁の公認会計士・監査審査会がまとめた資料では、日本にある296法人の監査法人のうち大手4法人だけで監査業務収入の約78%を占めており、準大手はその外側で上場企業の監査を担う層にあたります※15。

項目数字時点・注記
人員数382名パートナー49名・公認会計士158名・その他専門職員136名・その他の事務職員39名/2025年10月1日現在※10
社員(パートナー)44名(公認会計士38名・特定社員6名)2025年6月30日現在※9
事務所数5ヵ所東京・札幌・名古屋・大阪・福岡※9※10
被監査会社数227社(うち大会社等84社)2025年6月30日現在※9
業務収入(第39期)51億9,282万円監査証明業務44億7,827万円/非監査証明業務7億1,454万円。前期は46億3,928万円※9
沿革1986年10月21日に監査法人三優会計社として設立1996年1月にBDOと業務提携、同年4月に三優監査法人へ改称※9

内訳を見ると、382名のうち公認会計士が158名、その他専門職員が136名です※10。その他専門職員には、公認会計士試験に合格して登録前の職員などが含まれます。資格保有者と資格前の層が、ほぼ同じくらいの厚みで並んでいる構成です。

入所直後の自分がどのくらいの規模の組織に入るのか。この数字は、それを具体的に想像するための材料になります。同期は数十人。事務所ごとの人数まで公表されているので、配属先の規模感まで先に読めます。

2027年7月1日に仰星監査法人と合併し、「監査法人BDO Japan」になる予定です

三優監査法人と仰星監査法人は、「監査法人BDO Japan」の創設に向けて合併することで基本合意しました。合併予定日は2027年7月1日です※19。2027年に入所する人は、入所したその年の7月1日に所属する法人の名称が変わります。先に知っておいたほうがいい話なので、公表資料に書かれていることをそのまま整理します。

項目公表されている内容
新しい法人の名称監査法人BDO Japan(創設に向けて検討中)※19
合併予定日2027年7月1日※19
合併の考え方両法人は対等の精神に基づいて合併する※19
法令上の手続仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式を想定※19
合併後の業務収入約110億円(2026年6月期見込)※19
合併後の人員822人(非常勤を含む)※19
合併後の被監査上場会社192社(被監査会社数は約500社)※19
いまの段階合併基本合意書を締結した段階※19

「対等の精神に基づく合併」と公表されています

公表資料には、両法人は対等の精神に基づき合併すると書かれています。そのうえで、法令上の手続としては仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式を想定しているとされています※19。

ここは読み間違えやすいところです。存続法人・消滅法人という言い方は、手続のうえでどちらの法人格を残すかを決める形式上の区分で、どちらが上でどちらが下かを表すものではありません。実際、名称も「監査法人BDO Japan」という新しいものになる予定です※19。就職先として見るなら、2つの法人が1つになって規模が上がるという読み方のほうが実態に近いはずです。

2027年に入所する人にとって、変わることと変わらないこと

変わるのは、所属する法人の名称と規模です。合併後は業務収入 約110億円・人員822人・被監査上場会社192社という規模になる見込みで※19、三優単独の業務収入51億9,282万円・人員382名※9※10 と比べるとおよそ2倍になります。上場会社の監査を担う層としては、いまより厚い体制になる計算です。

公表されていないことも正直に書きます。合併後の初任給、給与体系、役職の呼び方、事務所の配置、採用の進め方は、いずれもまだ公表されていません。合併は基本合意を結んだ段階で、これから詳細を詰めていく段階です※19。そのため2027年入所の条件を確かめるときは、三優と仰星がいま出している募集要項がそのまま基準になります。合併後どうなるかが気になるなら、説明会や面接で直接聞くのが確実です。

合併の背景として公表されているのは、監査品質に対する社会的要請の高度化、規制等の厳格化、人材確保競争の激化、AI・ICTの進展、被監査会社の事業活動の高度化・国際化です※19。1つの法人で抱えるには重い変化が並んでいて、規模をつくって対応する判断だと読めます。

三優監査法人の初任給は月給350,000円。中身を分解する

三優の2026年初任給は月給350,000円で、固定残業代は含まれず、残業代は別途支給されます※2。募集要項にそう書かれています。

効いてくるのは「含む」と「含まない」の差です。固定残業代が入っていないということは、働いた時間外はそのまま時間外の手当として返ってくる設計だということです。固定残業代を含む法人では、その時間までは追加の支給がありません。同じ「残業がある」でも、財布に返ってくる形が違います。

募集要項に書かれている条件を並べると、こうなります※2。

  • 給与:月給350,000円(2026年初任給。別途残業代支給、固定残業代なし)
  • 賞与:年2回
  • 昇給:年1回
  • 待遇:各種社会保険完備、退職金制度、年金制度、各種手当、入所支度金を別途支給
  • 勤務時間:9時30分から17時30分(休憩60分、時間外労働あり)
  • 試用期間:3ヵ月
  • 勤務地:東京・大阪・名古屋・福岡・札幌
  • 募集人数:常勤職員25名程度(東京20名、札幌・名古屋・大阪・福岡で5名)
  • 応募資格:公認会計士試験論文式試験全科目合格者

短答式試験の合格者向けには、監査アシスタント(契約職員)の枠が別に用意されています。勤務地は東京、月給270,700円、勤務時間は9時30分から17時30分の実働7時間で、原則として残業と出張はありません※2。論文式試験の勉強と両立させる前提の条件です。

準大手4法人の初任給を、額面と中身の両方で並べる

初任給の記事でよく見るのは、額面だけを並べた表です。それだと固定残業代が入っている法人と入っていない法人が同じ土俵に並んでしまいます。準大手4法人の公式募集要項から、内訳ごと引き写した表がこちらです。

法人月額額面の中身賞与出典
太陽有限責任監査法人36万5千円固定残業代なし。時間外手当は別途支給。残業食事代の記載あり年3回(6月・8月・12月)※1
三優監査法人350,000円固定残業代なし。残業代は別途支給。入所支度金を別途支給年2回※2
東陽監査法人350,000円以上固定残業代なし。時間外勤務手当は別途支給。100キロ以上の転居には転居費用補助30万円年2回(6月・12月)ほか決算賞与の実績あり※3
仰星監査法人35万円固定残業代なし。時間外勤務手当・休日勤務手当・深夜時間外勤務手当・通勤手当・出張日当は別途支給。年間休日125日(前年実績)年2回(6月・12月)。業績により決算賞与※4※18

4法人とも固定残業代なしで、月額は35万円から36万5千円の範囲に収まります※1※2※3※4。差は1万5千円。年収に直しても20万円弱で、賞与の回数や決算賞与の有無で簡単に逆転する幅です。額面だけを見比べても法人は選べません。

では大手はどうか。大手4法人の公式募集要項に載っている月額も並べておきます。

法人月額額面の中身出典
有限責任あずさ監査法人365,000円首都圏手当20,000円とワークサポート手当(東京)10,000円を含む。固定残業代なし※11
EY新日本有限責任監査法人首都圏365,000円/地区347,000円固定残業代の記載なし。時間外手当は別途支給※12
有限責任監査法人トーマツ東京・横浜365,000円/その他345,000円固定残業代の記載なし。時間外勤務手当は別途支給※13
PwC Japan有限責任監査法人420,300円月30時間分の時間外勤務手当を含む。応募要件は米国公認会計士試験の全科目合格者※14

PwC Japanの420,300円だけ数字が大きく見えます。ただしこれは月30時間分の時間外勤務手当を含んだ額で、さらに新卒採用(監査職)の募集要項に載っている額です※14。時間外を含まない他の法人の金額と単純に比べると、実態を読み違えます。「大手のほうが初任給が高いはず」という前提は、公表されている数字の範囲では成り立ちません。

法人ごとの初任給をもっと広く見比べたい人は、監査法人の初任給ランキングで大手・準大手・中小を横断して整理しています。

初任給の額面が横並びだと分かると、次に気になるのは「入所したあとどう上がるのか」です。その前に、法人選びの全体像を押さえておきたい人はこちらから。

入所後の年収はどう上がるのか。役職5段階で見る

監査法人の年収は役職で段が変わり、マネージャー以上は年俸制に切り替わって賞与という形の支給がなくなります。この構造は大手でも準大手でも共通です。

気になるのは、3年目や5年目にいくらもらえるのかというところではないかと思います。ところが、三優の募集要項が公表しているのは初任給と「賞与年2回・昇給年1回」まで※2。役職ごとの年収レンジは公表されていません。ここを推測値で埋めている記事が多いのですが、この記事では書きません。代わりに、給与の決まり方がどこで変わるのかを整理します。

スタッフとシニアスタッフの時期は、月給と年2回の賞与という組み合わせです。賞与の月数は法人の業績と人事評価で動くため、同じ役職でも年によって年収が変わります。

マネージャーに上がると年俸制になり、賞与という名目の支給はなくなります。年収の総額が下がるという意味ではなく、受け取り方が「月給と賞与」から「年俸の12分割」へ変わるということです。ここを誤解したまま「マネージャーになると賞与が消える」と受け取る人がいます。

三優が公表している職位別の人員は、2025年6月末でパートナー44人、シニアマネージャーとマネージャーが63人、シニアスタッフとジュニアスタッフ等が207人、事務職員が33人の合計347人です※6。前年の306人から41人増えています。役職ごとの人数の形は、上がりやすさそのものではありませんが、組織の厚みを見る材料にはなります。

役職・年齢ごとの相場を数字で追いたい場合は、監査法人の年収を年齢・役職別に整理した記事と、パートナーの年収と到達難易度をまとめた記事が参考になります。

資格手当と家賃補助は、募集要項に載っていない

三優の募集要項を確認したところ、資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※2。これは三優に限った話ではなく、監査法人には基本的に資格手当も家賃補助もありません。太陽と仰星の募集要項、および仰星の制度ページでも同じく記載がありませんでした※1※4※18。転勤も基本的にありません。

代わりに載っているのは、退職金制度、年金制度、入所支度金、実務補習所への通学保証、育児休業制度、介護休業制度、在宅勤務制度などです※2。資格に関わるものとしては、補習所費用負担制度、修了考査の受験予備校費用負担制度、公認会計士以外の資格を維持するための研修費用を法人が負担する学費補助制度が制度ページに載っています※17。毎月支給される資格手当とは別のものです。名前が似ていても中身は違うので、募集要項の言葉のまま読むのが確実です。

働き方と待遇で気になりやすい4点を、公表資料で確かめる

入所前に働き方や待遇が気になるのは、三優に限らず準大手監査法人すべてに共通します。就職先として比べる以上、条件を自分の目で確かめたくなるのは自然なことです。

ここでは、気になりやすい4つの点を、一次情報で確かめられる範囲だけ検証します。確かめられないものは「公表されていない」と書きます。推測で埋めても、あなたの判断材料にはならないからです。

気になりやすい点一次情報で確かめられること確かめられないこと
繁忙期の労働時間募集要項は固定残業代がなく、残業代が別途支給される※2。監査品質向上への取り組みでは、職位ごとの平均稼働時間の適正化を図ると記載※6年間平均執務時間、月ごとの残業時間、繁忙期のピーク(いずれも公表されていない)
組織の規模と担当する会社被監査会社227社のうち大会社等が84社、金商法・会社法監査が82社※91チームあたりの人数、配属希望が通る割合
初任給の水準月給350,000円※2。準大手4法人は35万円から36万5千円、大手4法人は345,000円から420,300円(PwC Japanの420,300円は新卒・監査職/米国公認会計士試験の全科目合格者向けの額で、月30時間分の時間外勤務手当を含む)※1※3※4※11※12※13※14入所後の昇給幅(昇給は年1回とだけ公表※2)
退職の状況2024年度の離職率7.2%※6。職位別の人員は2024年6月末306人から2025年6月末347人へ増加※6役職別・年次別の離職率、退職理由の内訳

表を見ると分かるとおり、気になりやすい点は、確かめられるものと確かめられないものが混ざっています。離職率のように法人が数字で出しているものもあれば、年間平均執務時間のように出ていないものもある。断定している記事は、後者を推測で埋めています。

働き方の実態をもう少し広く比べたい人は、残業・有給・離職率で監査法人を比較した記事を見てください。法人ごとに公表状況が違うことも含めて整理しています。

監査の品質や法人の運営については、金融庁と公認会計士・監査審査会が検査や処分の結果を公表しています。どの法人について何があったかは、公表資料で誰でも確認できます。この記事は就職の条件に絞って扱うため個別には取り上げませんが、気になる人は次の2つを見てください。

働く環境として、公表されている数字はどこまであるか

三優が数値で公表しているのは、監査品質向上への取り組みに載っている人員構成と多様性の指標、そして離職率です※6。募集要項だけを見ていると、これらを見落とします。

男性育児休暇取得率63.6%、女性比率25.5%、女性管理職比率20.3%、離職率7.2%。いずれも法人自身が集計した数値です※6。第三者の統計ではないため、法人間で単純比較できる性質のものではありません。

そのうえで、この4つが選ばれて公表されていること自体が情報です。法人が「ここを見てほしい」と考えている領域が、育児との両立と多様性、そして人の定着だということですから。

育成に関する数字もあります。継続的専門能力開発(CPD)制度の平均研修受講時間は2024年度で56時間、前年度は66時間です※6。品質管理に関連する人員は42人で、これには審査と教育研修に係る人員は含まれていません(2025年6月末現在)※6。

年間平均執務時間は、準大手4法人中3法人が公表している

準大手4法人のうち3法人が、監査品質に関する報告書で監査に携わる人の年間平均執務時間を出しています。4法人すべての報告書を開いて確認しました。募集要項には載っていないため見つけにくいだけで、探す場所を間違えなければ数字は手に入ります。

法人公表されている年間平均執務時間集計期間出典
太陽社員2,400時間/職員1,938時間2025年6月期※5
三優公表なし(記載なし)※6
東陽常勤職員1,731時間/非常勤職員491時間2024年度※7
仰星パートナー1,937.2時間/職員1,787.1時間2025年度※8

読むときの注意が3つあります。1つ目、執務時間は残業時間ではありません。所定の労働時間を含んだ、1年間に働いた時間の合計です。2つ目、区分の切り方が法人ごとに違います。太陽は社員と職員、東陽は常勤職員と非常勤職員、仰星はパートナーと職員で分けています※5※7※8。3つ目、集計期間もそろっていません。数十時間の差で法人の優劣を判断できる数字ではありません。

月ごとの残業時間や繁忙期のピークは、準大手4法人のいずれも公表していません。そこは説明会や面接で聞く論点として残ります。

退職率と有給休暇は、公表している法人が限られる

退職率を数字で出しているのは準大手4法人中2法人、有給休暇の取得率を出しているのは4法人中3法人です。執務時間ほどはそろいません。

法人退職率有給休暇取得率出典
太陽公表なし78.6%(2025年6月期)※5
三優7.2%(2024年度・法人の表記は離職率)公表なし※6
東陽公表なし86%(2024年度)※7
仰星9.2%(2025年度・非常勤職員を除く)77.8%(2025年6月期)※8

「公表なし」は推測で書いたものではありません。準大手4法人分の監査品質に関する報告書をすべて開き、退職率・離職率・有給休暇の語で本文を探した結果です※5※6※7※8。母数4法人、確認済み4法人。そのうえで記載があったのが上の表のとおりでした。単位も集計期間も対象者の定義も違うので、数字の大小をそのまま比べることはできません。

制度として書かれているもの

募集要項と法人の制度ページに列挙されている休暇と制度を、そのまま並べます※2※17。

  • 休日・休暇:土曜日・日曜日・祝日、年末年始、有給休暇(年間最大22日付与・1時間単位で取得可能)、夏季休暇(年3日)、試験休暇、育児・介護休暇
  • 研修:新人研修、全体研修、臨時研修、外部派遣研修(事務所負担)、2週間のフィリピン海外語学研修
  • その他の制度:実務補習所への通学保証、育児休業制度、介護休業制度、在宅勤務制度、複線型勤務制度、マザーケア、ペアレントサービス、保活支援サービス

試験休暇が制度として置かれているのは、監査法人らしいところです。入所後も修了考査が控えているためで、これは大手・準大手・中小を問わず多くの法人にあります。

三優の採用スケジュールと、2026年合格者の動き方

準大手には接触禁止期間がないため、論文式試験の直後から説明会と面接が動き、合格発表を待たずに選考が進みます※2※16。大手とは時間軸が違います。

三優が公表している選考フローは2通りです。説明会に参加してから面接に進むAパターンと、面接だけを受けるBパターン。どちらもエントリーから始まり、面接を経て内定という流れになります※2。

大手には接触禁止期間があり、合格発表前に選考へ進むことはできません。「まず準大手を見てから大手を受ける」という順番が、制度上そもそも組みやすいということです。11月まで何もしないでいると、合格発表から内定承諾までの2週間で全部を決めることになります。

選考の準備そのものについては、合格直後からの就職活動の進め方をまとめた記事で、説明会から内定承諾までの動き方を扱っています。

三優が合わないと感じたら、どこを見ればいいか

初任給が横並びである以上、法人選びの決め手は給与以外の要素になります。規模、担当できる会社、任される速さ、勤務地。この4つで自分に当ててみてください。

三優が強いのは、準大手の規模で上場企業の監査に関われる確率と、勤務地の選択肢です。被監査会社227社のうち84社が大会社等※9。事務所は東京・札幌・名古屋・大阪・福岡の5ヵ所で、募集人数も事務所ごとに分けて公表されています※2※10。

逆に、同期の多い環境で横並びに競いたい人には、常勤職員25名程度という募集規模が物足りなく映るかもしれません。ここを重視するなら、大手4法人(あずさ・EY新日本・トーマツ・PwC Japan)を必ず比較対象に入れてください

同じ準大手でも、条件は法人ごとに違います。太陽は賞与が年3回、東陽は100キロ以上の転居に30万円の補助、仰星はシニアスタッフ以上が年間の所定労働時間の5%から25%まで取れる選択休暇制度と、公表されている中身がそれぞれ異なります※1※3※18。準大手(太陽・三優・東陽・仰星)は一括りにできません。中小監査法人まで含めれば、選択肢はさらに広がります。

準大手監査法人の特徴を就活目線でまとめた記事と、中小監査法人を一覧で比較した記事で、1法人ずつ見ていくのが結局いちばん早い道です。

規模の違いを横断で確かめたいなら、大手・準大手・中小の違いを整理した比較ガイドから入るのがおすすめです。

よくある質問

三優監査法人の初任給はいくらですか?

募集要項に記載されている2026年の初任給は月給350,000円です。別途残業代が支給され、固定残業代は含まれません※2。賞与は年2回、昇給は年1回で、入所支度金が別途支給されます。

三優監査法人の年収は大手より低いのですか?

初任給の月額で見ると、三優は350,000円、大手4法人は345,000円から420,300円です(PwC Japanの420,300円は月30時間分の時間外勤務手当を含み、応募要件も新卒採用の監査職です)※2※11※12※13※14。役職ごとの年収レンジは各法人とも公表していないため、入所後の差については公開情報から比較できません。

三優監査法人の働き方や待遇は、公開情報でどこまで分かりますか?

確かめられる数字はあります。監査品質向上への取り組み2025によると、2024年度の離職率は7.2%、職位別の人員は2024年6月末の306人から2025年6月末の347人へ増えています※6。募集要項は固定残業代がなく、残業代が別途支給されます※2。一方で年間平均執務時間、月ごとの残業時間、繁忙期のピークは公表されていないため、そこは公開情報だけでは判断できません。

三優監査法人には家賃補助や資格手当がありますか?

募集要項には資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※2※17。待遇として載っているのは、各種社会保険完備、退職金制度、年金制度、各種手当、入所支度金です。制度ページには補習所費用負担制度と学費補助制度がありますが、これらは費用の負担であって、毎月支給される資格手当とは別のものです。監査法人には基本的に家賃補助と資格手当がなく、転勤も基本的にありません。

三優監査法人の採用人数と勤務地を教えてください。

募集要項に記載されている募集人数は常勤職員25名程度で、内訳は東京20名、札幌・名古屋・大阪・福岡で5名です※2。勤務地は東京・大阪・名古屋・福岡・札幌の5ヵ所です。入所日は募集要項に記載がありません。法人の規模は人員382名で、社員は44名です※9※10。

三優監査法人は仰星監査法人と合併するのですか?

三優監査法人と仰星監査法人は、「監査法人BDO Japan」の創設に向けて合併することで基本合意しました。合併予定日は2027年7月1日です。両法人は対等の精神に基づいて合併するとされ、法令上の手続としては仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式が想定されています。合併後の規模は業務収入 約110億円(2026年6月期見込)・人員822人(非常勤を含む)・被監査上場会社192社と公表されています。合併後の初任給や給与体系はまだ公表されていないため、2027年入所の条件は各法人がいま公表している募集要項が基準です。※19

三優は過去に行政処分を受けたことがありますか?

監査法人への行政処分や検査結果は、金融庁公認会計士・監査審査会が公表しています。過去の有無は法人によって違うので、リンク先で法人名を探して確かめてください。この記事は就職の条件を扱うため、個別の処分の中身には立ち入りません。

まとめ

三優監査法人の2026年初任給は月給350,000円。固定残業代は入っておらず、残業代は別途支給されます※2。額面の数字より、中身の構成を見るほうが実態に近づきます。

要点を3行で。準大手4法人の初任給は35万円から36万5千円に収まり、大手を含めても給与では選び分けられません。気になりやすい点の多くは法人が数字を公表していない領域にあり、断定している記事は推測を挟んでいます。だから決め手は、規模・担当会社・任される速さ・勤務地という自分の優先順位に戻ってきます。

三優を第一志望にするにしても、しないにしても、比べる相手を2つ3つ持ってから決めてください。大手と中小を1法人ずつ見ておくと、面接で話す内容まで変わります。急がば回れ、です。

参考文献・出典