企業の選び方

【2026年版】PwC Japan有限責任監査法人の年収・初任給と採用の実態|公式データで検証

「PwC Japan有限責任監査法人の年収って、実際どのくらいなんだろう」。法人選びを始めると、まずここで手が止まります。しかもこの法人は名前が変わっています。少し前まで「PwCあらた」、その前は「あらた監査法人」。検索しても、どの時点の話なのか分からない情報が混ざって出てきます。

そこでこの記事では、PwC Japan有限責任監査法人が自分で公表している一次情報だけを使って、初任給・規模・働く環境・社名変更の経緯を組み立て直しました。使ったのは公式の募集要項3ページ、業務及び財産の状況に関する説明書類、監査品質に関する報告書、そして金融庁の公認会計士・監査審査会の公表資料です。

口コミサイトの平均値は1つも使っていません。そのぶん「公表されていないことは公表されていない」と正直に書きます。とくにこの法人は初任給の数字がどの採用区分のものかがややこしいので、そこは丁寧に分けます。

この記事の要点

  • 公表されている月給420,300円は新卒採用(監査職・米国公認会計士試験の全科目合格者向け)の額。月30時間分の時間外勤務手当を含みます※1
  • 公認会計士試験合格者向けの定期採用ページは「確定し次第、掲載予定」。2026年8月30日時点で月額を確認できません※3
  • 旧PwCあらた。2023年12月1日にPwC京都監査法人と合併してPwC Japan有限責任監査法人になりました※4

PwC Japan有限責任監査法人とは、どんな規模の法人か

PwC Japanは職員3,660名・5事務所を持つ大手監査法人で、2025年6月期の業務収入は841億円です※4。まず数字で全体像をつかみます。

正式名称はPwC Japan有限責任監査法人。PwCネットワークのメンバーファームで、有限責任あずさ監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツと並ぶ大手監査法人の1つです。金融庁の公認会計士・監査審査会がまとめた資料では、日本に296法人ある監査法人のうち、この大手4法人だけで監査業務収入の約78%を占めています※10。

項目数字時点・注記
職員数(社員+使用人)3,660名2025年6月30日現在※4
社員(パートナー)252名(公認会計士194名・特定社員58名)同上※4
事務所数5ヵ所東京3,026名、京都245名、大阪176名、名古屋169名、福岡44名※4
被監査会社数1,447社(うち大会社等322社)前期比43社減※4
業務収入(第20期)841億9,100万円監査証明業務410億2,900万円/非監査証明業務431億6,200万円※4
沿革2006年設立のあらた監査法人が源流2015年にPwCあらた監査法人へ、2023年に現在の名称へ※4

内訳を見ると、3,660名のうち監査補助職員が1,536名で最も多く、日本公認会計士協会に開業登録を済ませた公認会計士が1,059名、まだ準会員である公認会計士試験合格者等が685名です※4。職員のおよそ5人に1人が、資格登録前の試験合格者という構成になります。

収入の構成にも特徴があります。第20期の業務収入841億9,100万円のうち、監査証明業務が410億2,900万円、非監査証明業務が431億6,200万円※4。金額では非監査証明業務のほうが大きいという構成です。

「あらた監査法人」から「PwC Japan」へ。名前が変わった経緯

この法人は名前を2度変えています。説明書類の沿革に、年月日まで書かれています※4。

  • 2006年6月1日:あらた監査法人として設立。PwCネットワークに加盟
  • 2015年7月1日:法人名称を「PwCあらた監査法人」へ変更
  • 2016年7月1日:有限責任監査法人へ移行し「PwCあらた有限責任監査法人」に
  • 2023年12月1日:PwCあらた有限責任監査法人を存続法人として、PwC京都監査法人と合併。PwC Japan有限責任監査法人として業務開始

つまり「あらた監査法人」も「PwCあらた」も、現在のPwC Japan有限責任監査法人の旧名称です。別法人ではありません。就職活動で古い記事を読むとき、どの時点の名前かで情報の鮮度を判断できます。

合併の痕跡は事務所の構成にも残っています。京都事務所には245名が勤務しており、東京の3,026名に次ぐ規模です※4。名古屋169名、大阪176名、福岡44名と並べると、京都が大きいことがはっきり分かります。

PwC Japanの初任給は月給420,300円。中身を分解する

公表されている月給420,300円は新卒採用(監査職・米国公認会計士試験の全科目合格者向け)の額で、月30時間分の時間外勤務手当を含みます※1。額面だけを見ると大きく映りますが、中身が違います。

募集要項(監査職)に書かれている条件を並べると、こうなります※1。

  • 給与:月給420,300円(月30時間の時間外勤務手当を含む。超過分は別途支給)
  • 賞与:業績賞与を年1回(業績・貢献度に応じて支給)
  • 昇給:年1回
  • 手当:時間外勤務手当、通勤手当(実費精算)、フレキシブルワーキング手当(月額5,000円)、出張手当
  • 標準労働時間:1日7時間(フレックスタイム制あり、リモートワークあり)
  • 勤務地:東京

420,300円は新卒採用(監査職・米国公認会計士試験の全科目合格者向け)の額で、すでに月30時間分の時間外勤務手当が入っています。30時間を超えた分は別途支給されますが、30時間までは追加の支給がありません。賞与の形も違います。「業績賞与を年1回」なので、年2回の賞与を前提に年収を計算すると見立てがずれます。

なお、基本給がいくらなのかは公表されていません。420,300円から時間外分を引いた額を推計している記事もありますが、この記事では計算しません。公式に出ていない数字だからです。

この420,300円は、どの採用区分の数字か

ここが、この法人でいちばん誤解が生まれるところです。PwC Japanの新卒採用は職種別に分かれており、420,300円が出てくるのは次の2つの区分です※1※2。

採用区分応募要件月額出典
新卒採用(監査職)入所までに大学または大学院を卒業予定で、米国公認会計士試験の全科目合格者420,300円(月30時間分の時間外勤務手当を含む)※1
新卒採用(公認会計士キャリアチャレンジ採用)入所までに大学または大学院を卒業予定で、公認会計士試験短答式試験に合格していない人試験合格前 245,000円/合格後 420,300円※2
公認会計士試験合格者向けの定期採用公認会計士試験の合格者2026年8月30日時点で記載なし(「確定し次第、掲載予定」)※3

表の3行目の「記載なし」は、法人がまだ金額を出していない状態を指します。編集部が見つけられなかったという意味ではありません。採用情報ページに「確定し次第、掲載予定」と明記されています※3。

読み替えると、420,300円は米国公認会計士試験の合格者を対象にした新卒採用の額であり、日本の公認会計士試験に合格して入所する人の額として公表されているものではありません。公認会計士キャリアチャレンジ採用のほうは、短答式試験にまだ合格していない学生を採用して学習に専念させる区分です。合格前は月給245,000円で、この期間は昇給・賞与の対象外※2。

そして肝心の定期採用です。PwC Japanの公認会計士定期採用サイトの採用情報ページには、2026年8月30日時点で「採用募集要項 確定し次第、掲載予定」とだけ書かれています※3。月額も賞与も載っていません。同じ日に大手4法人の定期採用ページをすべて確認したところ、月額の記載を確認できたのは3法人(あずさ・EY新日本・トーマツ)で、PwC Japanだけが未掲載でした※3※6※7※8。公表されていない以上、この記事でも金額を断定することはしません。

そのかわり、判断の手がかりになる公表値を2つ並べておきます。どちらも各法人の公式ページで確認できる数字です。

  • 大手4法人のうち残り3法人の、公認会計士試験合格者向け定期採用の月額=345,000円〜365,000円(あずさ365,000円/EY新日本は首都圏365,000円・地区347,000円/トーマツは東京・横浜365,000円・その他345,000円)※6※7※8
  • PwC Japan自身が新卒採用(監査職・米国公認会計士試験の全科目合格者向け)で公表している月額=420,300円。この額には月30時間分の時間外勤務手当が含まれます※1

この2つを並べると、PwC Japanの定期採用の月額も、大手の水準に収まる可能性が高いと読めます。420,300円は時間外30時間分を含んだ額で、他の3法人の345,000円〜365,000円は時間外分を含まない額です。含む額と含まない額をそのまま引き算はできませんが、並べて見る土台にはなります。ただしこれは公表されている2つの数字から編集部が読み取った見立てであって、法人が公表した数字ではありません。いくらになるかを1つの金額として決め打ちすることはしません。実際の額は、募集要項が載った時点で公認会計士定期採用の採用情報ページでご自身で確かめてください※3。

大手4法人の初任給を、額面と中身の両方で並べる

初任給の記事でよく見るのは、額面だけを並べた表です。それだと時間外分が入っている法人と入っていない法人が同じ土俵に並んでしまいます。各法人の公式募集要項から、内訳ごと引き写した表がこちらです。

法人(正式名称)月額額面の中身賞与出典
PwC Japan有限責任監査法人420,300円月30時間分の時間外勤務手当を含む。超過分は別途支給。新卒採用の額業績賞与 年1回※1
有限責任あずさ監査法人365,000円首都圏手当20,000円とワークサポート手当(東京)10,000円を含む。固定残業代なし年2回※6
EY新日本有限責任監査法人首都圏365,000円/地区347,000円固定残業代の記載なし。時間外手当は別途支給年2回(6月・12月)※7
有限責任監査法人トーマツ東京・横浜365,000円/その他345,000円固定残業代の記載なし。時間外勤務手当は別途支給年2回(12月・9月)※8

PwC Japanの420,300円だけ数字が大きく見えます。ただし他の3法人の365,000円は時間外分を含まない額で、時間外は働いた分だけ別途支給されます※6※7※8。含む額と含まない額を並べて引き算しても、実態には近づきません。しかもPwC Japanの420,300円は採用区分が違います。表は「そのまま比べられない」ことを示すために置いています。

法人ごとの初任給をもっと広く見比べたい人は、監査法人の初任給ランキングで大手・準大手・中小を横断して整理しています。

初任給の読み方が分かると、次に気になるのは「入所したあとどう上がるのか」です。その前に、法人選びの全体像を押さえておきたい人はこちらから。

入所後の年収はどう上がるのか。役職5段階で見る

監査法人の年収は役職で段が変わり、マネージャー以上は年俸制に切り替わって賞与という形の支給がなくなります。この構造は大手監査法人に共通です。

気になるのは3年目や5年目にいくらもらえるのかというところだと思います。ところがPwC Japanが公表しているのは、初任給と「業績賞与年1回・昇給年1回」まで※1。役職ごとの年収レンジは公表されていません。ここを推測値で埋めている記事が多いのですが、この記事では書きません。代わりに、給与の決まり方がどこで変わるのかを整理します。

スタッフとシニアスタッフの時期は、月給と賞与の組み合わせです。PwC Japanの場合、賞与は業績賞与が年1回※1。業績と貢献度に応じて支給されるため、同じ役職でも年によって年収が動きます。

マネージャーに上がると年俸制になり、賞与という名目の支給はなくなります。年収の総額が下がるという意味ではなく、受け取り方が「月給+賞与」から「年俸の12分割」へ変わるということです。ここを誤解したまま「マネージャーになると賞与が消える」と受け取る人がいます。

人数の分布も公表されています。PwC Japanの2025年度の職位構成は、スタッフ64%、マネージャー以上の職員29%、パートナー7%※5。3人に2人がスタッフ層という構成です。

役職・年齢ごとの相場を数字で追いたい場合は、監査法人の年収を年齢・役職別に整理した記事と、パートナーの年収と到達難易度をまとめた記事が参考になります。

資格手当と家賃補助は、募集要項に載っていない

PwC Japanの募集要項を確認したところ、資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※1※2。これはPwC Japanに限った話ではなく、監査法人には基本的に資格手当も家賃補助もありません。あずさ、EY新日本、トーマツ、太陽の募集要項でも同じく記載がありませんでした※6※7※8※9。転勤も基本的にありません。

福利厚生として載っているのは、各種社会保険、退職金制度(確定拠出年金・公認会計士企業年金基金)、団体生命保険、長期所得補償保険、資格取得支援制度、ベビーシッター補助、保活支援サービスなどです※1。「資格取得支援制度」は資格を取るための支援であって、資格を持っていることに対して毎月払われる資格手当とは別のものです。名前が似ているので混同しやすいところです。

働き方と待遇で気になりやすい4点を、公表資料で確かめる

入所前に働き方や待遇が気になるのは、PwC Japanに限らず大手監査法人すべてに共通します。就職先として比べる以上、条件を自分の目で確かめたくなるのは自然なことです。

気になりやすい4つの点を、一次情報で確かめられる範囲だけ検証します。確かめられないものは「公表されていない」と書きます。推測で埋めても、あなたの判断材料にはならないからです。

気になりやすい点一次情報で確かめられること確かめられないこと
繁忙期の労働時間監査品質に関する報告書2025に年間平均執務時間の記載あり。社員2,110時間・職員1,904時間・全体1,922時間(2024年7月〜2025年6月。前年度の全体は1,941時間)※5。月給420,300円(新卒・監査職/米国公認会計士試験の全科目合格者向け)には月30時間分の時間外勤務手当を含み、超過分は別途支給※1月ごとの残業時間と繁忙期のピーク(4法人とも公表していない)
合併後の組織の落ち着き2023年12月1日にPwCあらた有限責任監査法人とPwC京都監査法人が合併し、PwC Japan有限責任監査法人として業務開始※4。京都事務所の勤務者は245名※4合併後の内部の運用、配属や評価の実感
初任給の額面と中身420,300円は月30時間分の時間外勤務手当を含む額で、新卒採用の区分※1。定期採用の月額は2026年8月30日時点で未掲載※3基本給の額、30時間を超えた月の実支給額
退職の状況退職率は2024年度7.7%、2025年度7.9%※5。中途採用者の割合は72%※5役職別・部門別の退職率、退職理由の内訳

PwC Japanは執務時間と退職率を数字で出しています。監査法人の残業や離職は募集要項からは読み取れませんが、監査品質に関する報告書という別の資料に載っています※5。年間平均執務時間は大手4法人すべてが同じ形の報告書で公表しており、退職率まで出しているのは4法人中PwC Japanの1法人です(次の章で4法人を並べます)。

もっとも、年間平均執務時間1,922時間は監査従事者の平均です※5。平均の裏には、繁忙期に厚く働く月と落ち着く月の差があります。平均値だけで繁忙期の実感は測れません。ここは正直に「分からない」と書きます。

合併も同じで、年月日と京都事務所の人数は説明書類で確認できますが※4、組織が実際にどうなじんでいるかは外から測れません。説明会や面接で聞く論点として持っておくのが現実的です。

働き方の実態をもう少し広く比べたい人は、残業・有給・離職率で監査法人を比較した記事を見てください。法人ごとに公表状況が違うことも含めて整理しています。

監査の品質や法人の運営については、金融庁と公認会計士・監査審査会が検査や処分の結果を公表しています。どの法人について何があったかは、公表資料で誰でも確認できます。この記事は就職の条件に絞って扱うため個別には取り上げませんが、気になる人は次の2つを見てください。

働く環境として、公表されている数字はどこまであるか

PwC Japanは監査品質に関する報告書で、育児・多様性・定着に関する数値を毎年公表しています※5。募集要項だけでは見えない部分がここに出ています。

男性の育児休業取得率98%、パートナーに占める海外赴任経験者の割合50%、女性比率35%、女性管理職比率25%、退職率7.9%。いずれも2025年度、つまり2024年7月1日から2025年6月30日までの事業年度の数値です※5。法人自身が集計した値なので、他法人と単純比較できる性質のものではありません。

時間に関する数値もあります。監査従事者の年間平均執務時間が1,922時間、平均研修受講時間が86時間、平均有給休暇取得日数(パートナーを除く)が18日、男性の育児休業の平均取得期間が5.5週※5。年20日ある年次有給休暇のうち、平均18日が実際に取得されているという読み方ができます※1※5。

人の動きも出ています。海外出向中が71名、国内出向中が45名、法人内の部門異動者が77名、在籍する職員の出身国は22カ国、中途採用者の割合は72%※5。3人に2人以上が中途入所という構成です。

年間平均執務時間は、4法人中4法人が公表している

大手4法人はどこも、監査品質に関する報告書で監査に携わる人の年間平均執務時間を出しています。4法人中4法人です。募集要項に載っていないため見つけにくいだけで、「公表されていない」わけではありません。

法人社員(パートナー)社員以外の職員集計期間
あずさ2,247時間1,935時間2025年6月期
EY新日本2,020時間1,948時間2024年7月〜2025年6月
トーマツ2,073時間1,893時間2024年6月〜2025年5月
PwC Japan2,110時間1,904時間2024年7月〜2025年6月

出典は各法人の監査品質に関する報告書です※12※13※14※5。全体の平均まで出しているのはEY新日本の1,956時間とPwC Japanの1,922時間(前年度1,941時間)の2法人で、トーマツは前年度の社員2,146時間・職員1,926時間も併記しています※13※5※14。

読むときの注意が2つあります。1つ目、執務時間は残業時間ではありません。所定の労働時間を含んだ、1年間に働いた時間の合計です。2つ目、集計の期間も対象者の決め方も法人ごとに違います。トーマツは事業年度が6月から5月、あずさは通期にわたって在籍した人だけを集計、PwC Japanは年35時間以上監査業務に従事した人を監査従事者としています※12※14※5。数十時間の差で法人の優劣を判断できる数字ではありません。

そのうえで読み取れるのは、4法人とも社員以外の職員の平均が1,900時間前後に収まっているということです。月ごとの残業時間や繁忙期のピークは、4法人のいずれも公表していません。そこは説明会や面接で聞く論点として残ります。

退職率と有給休暇は、公表している法人が限られる

退職率を数字で出しているのは4法人中1法人、有給休暇の実績を出しているのは4法人中2法人です。執務時間のようには揃いません。

法人退職率有給休暇の実績
あずさ公表なし職員の取得率77%
EY新日本公表なし公表なし
トーマツ公表なし公表なし
PwC Japan7.9%(前年度7.7%)平均取得日数18日・社員を除く

「公表なし」は推測で書いたものではありません。4法人分の監査品質に関する報告書(あずさはAZSA Quality 2025/26)と、各法人の募集要項および業務及び財産の状況に関する説明書類を実際に開き、退職率・離職率・有給休暇の語で本文を探した結果です※12※13※14※5。4法人すべてを確認したうえで、記載があったのはあずさとPwC Japanの2法人だけでした。単位も違うので、77%と18日を並べて比べることはできません。

制度として書かれているもの

募集要項に列挙されている休日・休暇と福利厚生を、そのまま並べます※1。

  • 休日:土曜・日曜、祝祭日、年末年始(12月29日から1月3日)、PwC Japan Group day
  • 休暇:年次有給休暇(年20日)、リフレッシュ・ヘルスケア休暇(年5日)、メディカル休暇、慶弔休暇、試験休暇、出産特別休暇(有給)、育児特別休暇(有給)、介護特別休暇(有給)、子の看護休暇、公傷休暇
  • 福利厚生:各種社会保険、退職金制度(確定拠出年金・公認会計士企業年金基金)、慶弔見舞金、団体生命保険、長期所得補償保険、資格取得支援制度、契約施設やスポーツクラブの割引、ベビーシッター補助、保活支援サービス、カウンセリング制度
  • 働き方:標準労働時間1日7時間、フレックスタイム制あり、リモートワークあり

試験休暇が制度として置かれているのは、監査法人らしいところです。入所後も修了考査が控えているためで、これは大手・準大手・中小を問わず多くの法人にあります。

PwC Japanの採用スケジュールと、2026年合格者の動き方

大手の選考は11月20日の合格発表後に始まり、12月中旬に内定という流れです※11。準大手・中小とは時間軸が違います。

大手には接触禁止期間があり、合格発表前に選考へ進むことはできません。準大手・中小には接触禁止期間がないため、論文式試験の直後から説明会や個別面談が数多く開かれます。「まず準大手・中小を見てから大手を受ける」という順番が、制度上そもそも組みやすいということです。

PwC Japanについて1つ注意があります。公認会計士試験合格者向けの定期採用の募集要項は、2026年8月30日時点で「確定し次第、掲載予定」の状態です※3。条件が出るのを待っている間に、他法人の説明会は進みます。条件の公表を待って動きを止めるより、9月から10月に他の法人を見ておいて、条件が出た時点で比較するほうが現実的です。

この時間差をどう使うか。就職活動の質はここで決まります。11月まで何もしないでいると、合格発表から内定承諾までの2週間で全部を決めることになります。

選考の準備そのものについては、合格直後からの就職活動の進め方をまとめた記事で、説明会から内定承諾までの動き方を扱っています。

PwC Japanが合わないと感じたら、どこを見ればいいか

初任給の額面は採用区分によって意味が変わるので、法人選びの決め手は給与以外の要素になります。国際性、開示の姿勢、任される速さ、勤務地。この4つで自分に当ててみてください。

PwC Japanが強いのは、国際的な人の流れと、数字を出す姿勢です。在籍する職員の出身国は22カ国、パートナーの50%が海外赴任の経験者、海外出向中の職員は71名※5。この規模の国際性は、グローバルネットワークを持つ法人でしか作れません。

逆に、若いうちから広い範囲を任されたい人にとっては、規模が壁になることもあります。同じ現場に何人が入るかで、1人が触れる範囲は変わるからです。ここを重視するなら、準大手(太陽・三優・東陽・仰星)と中小を必ず比較対象に入れてください

給与面で「大手のほうが高いはず」と思い込んでいるなら、その前提は一度外したほうがいい数字があります。準大手の太陽有限責任監査法人の定期採用募集要項は、月給36万5千円・固定残業代なし・賞与年3回(6月・8月・12月)・採用予定60人程度※9。時間外分を含まない月額で大手3法人と同額、賞与の回数はむしろ多く設定されています。

準大手と中小はそれぞれ法人ごとの色が強く、一括りにできません。準大手監査法人の特徴を就活目線でまとめた記事と、中小監査法人を一覧で比較した記事で、1法人ずつ見ていくのが結局いちばん早い道です。

規模の違いを横断で確かめたいなら、大手・準大手・中小の違いを整理した比較ガイドから入るのがおすすめです。

2027年7月1日に予定されている合併について

三優監査法人と仰星監査法人は、「監査法人BDO Japan」の創設に向けて合併することで基本合意しました。合併予定日は2027年7月1日です。

  • 両法人は対等の精神に基づいて合併します。法令上の手続としては、仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式が想定されています。
  • 合併後の規模は業務収入 約110億円(2026年6月期見込)・人員822人(非常勤を含む)・被監査上場会社192社と公表されています。いまのどちらの法人よりも大きな規模になります。
  • 2027年に入所する人は、2027年7月1日に所属する法人の名称が変わります。初任給や待遇の条件は、各法人がいま公表している募集要項が基準です。

この記事で準大手4法人(太陽・三優・東陽・仰星)として並べているのは、2027年6月30日までの区分です。

出典:三優監査法人「「監査法人BDO Japan」の創設に向けた検討について」(2026年7月27日公表・2026年8月31日確認)

よくある質問

PwC Japan有限責任監査法人の初任給はいくらですか?

公表されている月給は420,300円です。ただしこれは新卒採用の額で、月30時間分の時間外勤務手当を含みます。超過分は別途支給されます※1。賞与は業績賞与が年1回、昇給は年1回です。公認会計士試験合格者向けの定期採用の月額は、2026年8月30日時点で公表されていません※3。

PwCあらた監査法人とPwC Japan有限責任監査法人は違う法人ですか?

同じ法人です。2006年にあらた監査法人として設立され、2015年にPwCあらた監査法人、2016年にPwCあらた有限責任監査法人へ名称を変えました。2023年12月1日にPwC京都監査法人と合併し、PwC Japan有限責任監査法人として業務を開始しています※4。

PwC Japanの年収は他の大手より高いのですか?

初任給の月額はPwC Japanが420,300円、あずさ・EY新日本の首都圏・トーマツの東京と横浜がいずれも365,000円です。ただしPwC Japanの420,300円は新卒採用(監査職・米国公認会計士試験の全科目合格者向け)の額で、月30時間分の時間外勤務手当が含まれ、他の3法人は含みません※1※6※7※8。単純に比べられる数字ではありません。役職ごとの年収レンジは各法人とも公表していないため、入所後の差は公開情報から比較できません。

PwC Japanの残業時間や離職率は公表されていますか?

公表されています。監査品質に関する報告書2025によると、監査従事者の年間平均執務時間は1,922時間(前年度1,941時間)、退職率は7.9%(前年度7.7%)、平均有給休暇取得日数はパートナーを除いて18日です※5。いずれも2024年7月から2025年6月までの事業年度の数値で、法人自身の集計値です。年間平均執務時間は大手4法人すべてが同じ形の報告書で公表していますが、退職率まで出しているのは4法人中PwC Japanの1法人だけです。

PwC Japanには家賃補助や資格手当がありますか?

募集要項には資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※1※2。福利厚生の資格取得支援制度は資格を取るための支援であって、毎月支給される資格手当とは別のものです。監査法人には基本的に家賃補助と資格手当がなく、転勤も基本的にありません。諸手当として置かれているのは、時間外勤務手当、通勤手当、フレキシブルワーキング手当(月額5,000円)、出張手当です※1。

PwC Japanは過去に行政処分を受けたことがありますか?

監査法人への行政処分や検査結果は、金融庁公認会計士・監査審査会が公表しています。過去の有無は法人によって違うので、リンク先で法人名を探して確かめてください。この記事は就職の条件を扱うため、個別の処分の中身には立ち入りません。

まとめ

PwC Japan有限責任監査法人の公表初任給は月給420,300円。ただしこれは新卒採用の額で、月30時間分の時間外勤務手当を含みます※1。額面の数字より、どの採用区分の、何を含んだ額なのかを見るほうが実態に近づきます。

要点を3行で。公認会計士試験合格者向けの定期採用の月額は、2026年8月30日時点で公表されていません※3。「あらた監査法人」「PwCあらた」は同じ法人の旧名称で、2023年12月1日の合併で現在の名称になりました※4。そして執務時間1,922時間・退職率7.9%という、募集要項では見えない数字が報告書に出ています※5。

PwC Japanを第一志望にするにしても、しないにしても、比べる相手を2つ3つ持ってから決めてください。準大手と中小を1法人ずつ見ておくと、大手の面接で話す内容まで変わります。急がば回れ、です。

参考文献・出典