企業の選び方

【2026年版】仰星監査法人の年収・初任給と採用の実態|公式データで検証

「仰星監査法人の年収って、実際どのくらいなんだろう」。論文式試験が終わって法人を絞り始めた頃に、この疑問にぶつかる人は多いはずです。検索して出てくるのは推測のレンジばかりで、どこから来た数字なのかが分かりません。待遇や働き方についても、公表資料に当たれば確かめられることは思ったより多くあります。

そこでこの記事では、仰星監査法人が自分で公表している一次情報だけを使って、初任給・待遇・規模・採用の中身を組み立て直しました。募集要項、業務及び財産の状況に関する説明書類、法人概要、監査品質に関する報告書の4つです。あわせて、金融庁の公認会計士・監査審査会が出している公表資料を使いました。

口コミサイトの平均値は一切使っていません。そのぶん「分からないことは分からない」と正直に書きます。読み終わる頃には、仰星を第一志望にするかどうかを自分で判断できる材料がそろいます。

この記事の要点

  • 仰星の初任給は月額35万円。固定残業代は入っておらず、時間外勤務手当は別途支給されます※4
  • 準大手4法人の公式募集要項を並べると、月額は35万円から36万5千円の範囲に収まります。初任給の額面だけでは法人を選び分けられません※1※2※3※4
  • 働き方と待遇で気になりやすいのは4点。一次情報で確かめられるものと、公表されていないものが混ざっています。この記事では両方を分けて示します

仰星監査法人とは、どんな規模の法人か

仰星監査法人は人員428名を抱える準大手監査法人で、第36期の業務収入は52億5,580万円です※9※10。まず数字で全体像をつかんでおきます。

1990年9月に北斗監査法人として設立され、合併を重ねて2006年10月に仰星監査法人へ改称しました※9※10。2001年からは国際的な会計事務所のネットワークであるNexia Internationalに加盟しています※10。太陽有限責任監査法人、三優監査法人、東陽監査法人と並んで準大手監査法人に数えられます。金融庁の公認会計士・監査審査会がまとめた資料では、日本にある296法人の監査法人のうち大手4法人だけで監査業務収入の約78%を占めており、準大手はその外側で上場企業の監査を担う層にあたります※15。

項目数字時点・注記
人員数428名公認会計士282名(うちパートナー57名)・会計士補および試験合格者81名・IT専門家等およびアシスタント35名・その他30名/2025年6月末現在・非常勤を含む※10
社員(パートナー)57名(全員が公認会計士)2025年6月30日現在※9
事務所数3ヵ所(東京・大阪・名古屋)公衆縦覧書類に載る事務所。ほかに北陸・札幌・福岡・広島のオフィス※9※10
被監査会社数277社(うち大会社等118社)2025年6月30日現在。金商法・会社法監査115社、会社法監査76社ほか※9
業務収入(第36期)52億5,580万円監査証明業務50億4,294万円/非監査証明業務2億1,285万円。前期は48億4,903万円※9
沿革1990年9月に北斗監査法人として設立2001年にNexia Internationalへ加盟、2006年10月に仰星監査法人へ改称※9※10

内訳を見ると、428名のうち公認会計士が282名、会計士補と公認会計士試験合格者が81名です※10。職員のおよそ5人に1人が、資格登録前の試験合格者という構成になります。

入所直後の自分がどのくらいの規模の組織に入るのか。この数字は、それを具体的に想像するための材料になります。事務所ごとの人数まで公衆縦覧書類に載っているので、配属先の規模感まで先に読めます。

2027年7月1日に三優監査法人と合併し、「監査法人BDO Japan」になる予定です

三優監査法人と仰星監査法人は、「監査法人BDO Japan」の創設に向けて合併することで基本合意しました。合併予定日は2027年7月1日です※19。2027年に入所する人は、入所したその年の7月1日に所属する法人の名称が変わります。先に知っておいたほうがいい話なので、公表資料に書かれていることをそのまま整理します。

項目公表されている内容
新しい法人の名称監査法人BDO Japan(創設に向けて検討中)※19
合併予定日2027年7月1日※19
合併の考え方両法人は対等の精神に基づいて合併する※19
法令上の手続仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式を想定※19
合併後の業務収入約110億円(2026年6月期見込)※19
合併後の人員822人(非常勤を含む)※19
合併後の被監査上場会社192社(被監査会社数は約500社)※19
いまの段階合併基本合意書を締結した段階※19

「対等の精神に基づく合併」と公表されています

公表資料には、両法人は対等の精神に基づき合併すると書かれています。そのうえで、法令上の手続としては仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式を想定しているとされています※19。

ここは読み間違えやすいところです。存続法人・消滅法人という言い方は、手続のうえでどちらの法人格を残すかを決める形式上の区分で、どちらが上でどちらが下かを表すものではありません。実際、名称も「監査法人BDO Japan」という新しいものになる予定です※19。就職先として見るなら、2つの法人が1つになって規模が上がるという読み方のほうが実態に近いはずです。

2027年に入所する人にとって、変わることと変わらないこと

変わるのは、所属する法人の名称と規模です。合併後は業務収入 約110億円・人員822人・被監査上場会社192社という規模になる見込みで※19、仰星単独の業務収入52億5,580万円・人員428名※9※10 と比べるとおよそ2倍になります。上場会社の監査を担う層としては、いまより厚い体制になる計算です。

公表されていないことも正直に書きます。合併後の初任給、給与体系、役職の呼び方、事務所の配置、採用の進め方は、いずれもまだ公表されていません。合併は基本合意を結んだ段階で、これから詳細を詰めていく段階です※19。そのため2027年入所の条件を確かめるときは、仰星と三優がいま出している募集要項がそのまま基準になります。合併後どうなるかが気になるなら、説明会や面接で直接聞くのが確実です。

合併の背景として公表されているのは、監査品質に対する社会的要請の高度化、規制等の厳格化、人材確保競争の激化、AI・ICTの進展、被監査会社の事業活動の高度化・国際化です※19。1つの法人で抱えるには重い変化が並んでいて、規模をつくって対応する判断だと読めます。

仰星監査法人の初任給は月額35万円。中身を分解する

仰星の初任給は月額35万円で、固定残業代は含まれず、時間外勤務手当は別途支給されます※4。東京事務所の募集要項にそう書かれています。

効いてくるのは「含む」と「含まない」の差です。固定残業代が入っていないということは、働いた時間外はそのまま時間外の手当として返ってくる設計だということです。固定残業代を含む法人では、その時間までは追加の支給がありません。同じ「残業がある」でも、財布に返ってくる形が違います。

募集要項に書かれている条件を並べると、こうなります※4。

  • 給与:月額35万円(固定残業代なし)
  • 賞与:年2回(6月・12月)。業績により別途決算賞与を支給する場合あり
  • 給与改定:年1回(10月)。人事評価を勘案して改定
  • 諸手当:時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜時間外勤務手当、通勤手当、出張日当
  • 勤務時間:9時30分から17時30分(休憩60分を含む)
  • 試用期間:原則3ヵ月(就業条件に変更なし)
  • 入所日:2026年1月1日(出勤初日は2026年1月5日)
  • 採用予定人数:常勤職員10名程度(東京事務所)
  • 応募資格:公認会計士試験論文式試験全科目合格者

この募集要項は2025年(令和7年)合格者向けとして公表されているものです。2026年合格者向けの条件は改めて公表されます。あわせて、法人の制度ページには前年実績として初年度月額350,000円、年間休日125日という数字が載っています※18。

準大手4法人の初任給を、額面と中身の両方で並べる

初任給の記事でよく見るのは、額面だけを並べた表です。それだと固定残業代が入っている法人と入っていない法人が同じ土俵に並んでしまいます。準大手4法人の公式募集要項から、内訳ごと引き写した表がこちらです。

法人月額額面の中身賞与出典
太陽有限責任監査法人36万5千円固定残業代なし。時間外手当は別途支給。残業食事代の記載あり年3回(6月・8月・12月)※1
三優監査法人350,000円固定残業代なし。残業代は別途支給。入所支度金を別途支給年2回※2
東陽監査法人350,000円以上固定残業代なし。時間外勤務手当は別途支給。100キロ以上の転居には転居費用補助30万円年2回(6月・12月)ほか決算賞与の実績あり※3
仰星監査法人35万円固定残業代なし。時間外勤務手当・休日勤務手当・深夜時間外勤務手当・通勤手当・出張日当は別途支給。年間休日125日(前年実績)年2回(6月・12月)。業績により決算賞与※4※18

4法人とも固定残業代なしで、月額は35万円から36万5千円の範囲に収まります※1※2※3※4。差は1万5千円。年収に直しても20万円弱で、賞与の回数や決算賞与の有無で簡単に逆転する幅です。額面だけを見比べても法人は選べません。

では大手はどうか。大手4法人の公式募集要項に載っている月額も並べておきます。

法人月額額面の中身出典
有限責任あずさ監査法人365,000円首都圏手当20,000円とワークサポート手当(東京)10,000円を含む。固定残業代なし※11
EY新日本有限責任監査法人首都圏365,000円/地区347,000円固定残業代の記載なし。時間外手当は別途支給※12
有限責任監査法人トーマツ東京・横浜365,000円/その他345,000円固定残業代の記載なし。時間外勤務手当は別途支給※13
PwC Japan有限責任監査法人420,300円月30時間分の時間外勤務手当を含む。応募要件は米国公認会計士試験の全科目合格者※14

PwC Japanの420,300円だけ数字が大きく見えます。ただしこれは月30時間分の時間外勤務手当を含んだ額で、さらに新卒採用(監査職)の募集要項に載っている額です※14。時間外を含まない他の法人の金額と単純に比べると、実態を読み違えます。「大手のほうが初任給が高いはず」という前提は、公表されている数字の範囲では成り立ちません。

法人ごとの初任給をもっと広く見比べたい人は、監査法人の初任給ランキングで大手・準大手・中小を横断して整理しています。

初任給の額面が横並びだと分かると、次に気になるのは「入所したあとどう上がるのか」です。その前に、法人選びの全体像を押さえておきたい人はこちらから。

入所後の年収はどう上がるのか。役職5段階で見る

監査法人の年収は役職で段が変わり、マネージャー以上は年俸制に切り替わって賞与という形の支給がなくなります。この構造は大手でも準大手でも共通です。

気になるのは、3年目や5年目にいくらもらえるのかというところではないかと思います。ところが、仰星の募集要項が公表しているのは初任給と「賞与年2回・給与改定年1回」まで※4。役職ごとの年収レンジは公表されていません。ここを推測値で埋めている記事が多いのですが、この記事では書きません。代わりに、給与の決まり方がどこで変わるのかを整理します。

スタッフとシニアスタッフの時期は、月給と年2回の賞与という組み合わせです。仰星の場合は人事評価を勘案した給与改定が毎年10月にあり、業績によっては決算賞与が加わります※4。同じ役職でも年によって年収が変わるということです。

マネージャーに上がると年俸制になり、賞与という名目の支給はなくなります。年収の総額が下がるという意味ではなく、受け取り方が「月給と賞与」から「年俸の12分割」へ変わるということです。ここを誤解したまま「マネージャーになると賞与が消える」と受け取る人がいます。

仰星が公表している職位別の人員は、パートナー57人、マネージャー53人、CPAスタッフ69人、試験合格者76人、アシスタント等37人の合計292人です(非常勤の公認会計士等を除く)※8。役職ごとの人数の形は、上がりやすさそのものではありませんが、組織の厚みを見る材料にはなります。

役職・年齢ごとの相場を数字で追いたい場合は、監査法人の年収を年齢・役職別に整理した記事と、パートナーの年収と到達難易度をまとめた記事が参考になります。

資格手当と家賃補助は、募集要項に載っていない

仰星の募集要項を確認したところ、資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※4※18。これは仰星に限った話ではなく、監査法人には基本的に資格手当も家賃補助もありません。太陽と三優の募集要項、および三優の制度ページでも同じく記載がありませんでした※1※2※17。転勤も基本的にありません。

代わりに載っているのは、退職金制度、公認会計士企業年金基金、永年勤続表彰制度、公認会計士の登録費用と実務補習所の費用の法人負担、修了考査の専門学校費用の負担などです※4。制度ページには、情報セキュリティマネジメントやシステム監査技術者などの資格に対する報奨金制度も載っています※18。毎月支給される資格手当とは別のものです。名前が似ていても中身は違うので、募集要項の言葉のまま読むのが確実です。

働き方と待遇で気になりやすい4点を、公表資料で確かめる

入所前に働き方や待遇が気になるのは、仰星に限らず準大手監査法人すべてに共通します。就職先として比べる以上、条件を自分の目で確かめたくなるのは自然なことです。

ここでは、気になりやすい4つの点を、一次情報で確かめられる範囲だけ検証します。確かめられないものは「公表されていない」と書きます。推測で埋めても、あなたの判断材料にはならないからです。

気になりやすい点一次情報で確かめられること確かめられないこと
繁忙期の労働時間2025年度の年間平均執務時間はパートナー1,937.2時間・職員1,787.1時間※8。募集要項は固定残業代がなく、時間外勤務手当が別途支給される※4月ごとの残業時間と繁忙期のピーク(準大手4法人とも公表していない)
組織の規模と担当する会社監査契約先277社のうち大会社等が118社、金商法・会社法監査が115社※91チームあたりの人数、配属希望が通る割合
初任給の水準月額35万円※4。準大手4法人は35万円から36万5千円、大手4法人は345,000円から420,300円(PwC Japanの420,300円は新卒・監査職/米国公認会計士試験の全科目合格者向けの額で、月30時間分の時間外勤務手当を含む)※1※2※3※11※12※13※14入所後の昇給幅(給与改定は年1回とだけ公表※4)
退職の状況2025年度の退職率9.2%(非常勤職員を除く)。有給休暇取得率77.8%、育児休業後復帰率100%※8役職別・年次別の退職率、退職理由の内訳

表を見ると分かるとおり、気になりやすい点は、確かめられるものと確かめられないものが混ざっています。年間平均執務時間や退職率のように法人が数字で出しているものもあれば、繁忙期のピークのように出ていないものもある。断定している記事は、後者を推測で埋めています。

働き方の実態をもう少し広く比べたい人は、残業・有給・離職率で監査法人を比較した記事を見てください。法人ごとに公表状況が違うことも含めて整理しています。

監査の品質や法人の運営については、金融庁と公認会計士・監査審査会が検査や処分の結果を公表しています。どの法人について何があったかは、公表資料で誰でも確認できます。この記事は就職の条件に絞って扱うため個別には取り上げませんが、気になる人は次の2つを見てください。

働く環境として、公表されている数字はどこまであるか

仰星が数値で公表しているのは、QUALITY REPORT 2025に載っている執務時間・退職率・有給休暇・育児関連の指標です※8。募集要項だけを見ていると、これらを見落とします。

育児休業後復帰率100%、男性の育児休業取得率88.9%、有給休暇取得率77.8%、女性比率28.2%、退職率9.2%。いずれも法人自身が集計した数値です※8。第三者の統計ではないため、法人間で単純比較できる性質のものではありません。

そのうえで、この5つが選ばれて公表されていること自体が情報です。法人が「ここを見てほしい」と考えている領域が、育児との両立と休みの取りやすさ、そして人の定着だということですから。

働き方に関する数字もあります。全体の稼働時間に占める非常勤職員の稼働時間の割合は7.6%、選択休暇を申請した人の取得率は100%です※8。パートナーのCPD取得単位数は平均48.2単位です※8。

年間平均執務時間は、準大手4法人中3法人が公表している

準大手4法人のうち3法人が、監査品質に関する報告書で監査に携わる人の年間平均執務時間を出しています。4法人すべての報告書を開いて確認しました。募集要項には載っていないため見つけにくいだけで、探す場所を間違えなければ数字は手に入ります。

法人公表されている年間平均執務時間集計期間出典
太陽社員2,400時間/職員1,938時間2025年6月期※5
三優公表なし(記載なし)※6
東陽常勤職員1,731時間/非常勤職員491時間2024年度※7
仰星パートナー1,937.2時間/職員1,787.1時間2025年度※8

読むときの注意が3つあります。1つ目、執務時間は残業時間ではありません。所定の労働時間を含んだ、1年間に働いた時間の合計です。2つ目、区分の切り方が法人ごとに違います。太陽は社員と職員、東陽は常勤職員と非常勤職員、仰星はパートナーと職員で分けています※5※7※8。3つ目、集計期間もそろっていません。数十時間の差で法人の優劣を判断できる数字ではありません。

月ごとの残業時間や繁忙期のピークは、準大手4法人のいずれも公表していません。そこは説明会や面接で聞く論点として残ります。

退職率と有給休暇は、公表している法人が限られる

退職率を数字で出しているのは準大手4法人中2法人、有給休暇の取得率を出しているのは4法人中3法人です。執務時間ほどはそろいません。

法人退職率有給休暇取得率出典
太陽公表なし78.6%(2025年6月期)※5
三優7.2%(2024年度・法人の表記は離職率)公表なし※6
東陽公表なし86%(2024年度)※7
仰星9.2%(2025年度・非常勤職員を除く)77.8%(2025年6月期)※8

「公表なし」は推測で書いたものではありません。準大手4法人分の監査品質に関する報告書をすべて開き、退職率・離職率・有給休暇の語で本文を探した結果です※5※6※7※8。母数4法人、確認済み4法人。そのうえで記載があったのが上の表のとおりでした。単位も集計期間も対象者の定義も違うので、数字の大小をそのまま比べることはできません。

制度として書かれているもの

募集要項と法人の制度ページに列挙されている休暇と制度を、そのまま並べます※4※18。

  • 休日・休暇:土曜・日曜・祝祭日、年末年始、夏期、創立記念日、年次有給休暇(時間単位の取得も可能)、慶弔、配偶者出産、産前産後、育児、子の看護、介護、修了考査の試験休暇(年間休日125日・前年実績)
  • 働き方の制度:選択休暇制度(シニアスタッフ以上の公認会計士が年間の所定労働時間の5%から25%まで取得可能)、複線型勤務、在宅勤務、時短勤務
  • その他の制度:退職金制度、公認会計士企業年金基金、永年勤続表彰制度、公認会計士の登録費用と実務補習所費用の法人負担、報奨金制度、ノートパソコンとスマートフォンの貸与

選択休暇制度は仰星が独自に名前を付けている制度で、取得理由に制限がありません※18。主な取得理由として、個人事務所(税務業務・保険代理店等)の運営、社外役員業務、育児や介護や家事、自己研鑽と法人外活動が挙げられています※8。試験休暇が制度として置かれているのは監査法人らしいところで、これは大手・準大手・中小を問わず多くの法人にあります。

仰星の採用スケジュールと、2026年合格者の動き方

準大手には接触禁止期間がないため、論文式試験の直後から説明会と面接が動き、合格発表を待たずに選考が進みます※4※16。大手とは時間軸が違います。

仰星は事務所ごとに採用を行っており、東京・大阪・名古屋・北陸のそれぞれで説明会と面接の日程が公表されます※4。選考はエントリーシートの提出、面接、結果通知という順です。直近の東京事務所の募集要項では書類選考がないと明記されていました。

大手には接触禁止期間があり、合格発表前に選考へ進むことはできません。「まず準大手を見てから大手を受ける」という順番が、制度上そもそも組みやすいということです。11月まで何もしないでいると、合格発表から内定承諾までの2週間で全部を決めることになります。

選考の準備そのものについては、合格直後からの就職活動の進め方をまとめた記事で、説明会から内定承諾までの動き方を扱っています。

仰星が合わないと感じたら、どこを見ればいいか

初任給が横並びである以上、法人選びの決め手は給与以外の要素になります。規模、担当できる会社、任される速さ、勤務地。この4つで自分に当ててみてください。

仰星が強いのは、準大手の規模で上場企業の監査に関われる確率と、働き方の制度の幅です。監査契約先277社のうち118社が大会社等※9。シニアスタッフ以上の公認会計士が使える選択休暇制度は、他の法人の募集要項では見かけない設計です※18。

逆に、同期の多い環境で横並びに競いたい人には、東京事務所で常勤職員10名程度という募集規模が物足りなく映るかもしれません。ここを重視するなら、大手4法人(あずさ・EY新日本・トーマツ・PwC Japan)を必ず比較対象に入れてください

同じ準大手でも、条件は法人ごとに違います。太陽は賞与が年3回、三優は入所支度金の別途支給と5事務所の勤務地、東陽は100キロ以上の転居に30万円の補助と、公表されている中身がそれぞれ異なります※1※2※3。準大手(太陽・三優・東陽・仰星)は一括りにできません。中小監査法人まで含めれば、選択肢はさらに広がります。

準大手監査法人の特徴を就活目線でまとめた記事と、中小監査法人を一覧で比較した記事で、1法人ずつ見ていくのが結局いちばん早い道です。

規模の違いを横断で確かめたいなら、大手・準大手・中小の違いを整理した比較ガイドから入るのがおすすめです。

よくある質問

仰星監査法人の初任給はいくらですか?

東京事務所の募集要項に記載されている月額は35万円です。固定残業代は含まれず、時間外勤務手当は別途支給されます※4。賞与は年2回(6月・12月)で、業績により決算賞与が加わる場合があります。給与改定は年1回(10月)です。

仰星監査法人の年収は大手より低いのですか?

初任給の月額で見ると、仰星は35万円、大手4法人は345,000円から420,300円です(PwC Japanの420,300円は月30時間分の時間外勤務手当を含み、応募要件も新卒採用の監査職です)※4※11※12※13※14。役職ごとの年収レンジは各法人とも公表していないため、入所後の差については公開情報から比較できません。

仰星監査法人の働き方や待遇は、公開情報でどこまで分かりますか?

確かめられる数字はあります。QUALITY REPORT 2025によると、2025年度の年間平均執務時間はパートナー1,937.2時間・職員1,787.1時間、退職率は9.2%(非常勤職員を除く)、有給休暇取得率は77.8%です※8。募集要項は固定残業代がなく、時間外勤務手当が別途支給されます※4。一方で月ごとの残業時間と繁忙期のピークは公表されていないため、そこは公開情報だけでは判断できません。

仰星監査法人には家賃補助や資格手当がありますか?

募集要項には資格手当・家賃補助・住宅手当のいずれも記載がありません※4※18。福利厚生として載っているのは、退職金制度、公認会計士企業年金基金、永年勤続表彰制度、公認会計士の登録費用と実務補習所費用の法人負担などです。制度ページには情報処理系の資格に対する報奨金制度がありますが、毎月支給される資格手当とは別のものです。監査法人には基本的に家賃補助と資格手当がなく、転勤も基本的にありません。

仰星監査法人の採用人数と入所日を教えてください。

直近で公表されている東京事務所の募集要項では、採用予定人数が常勤職員10名程度、入所日が2026年1月1日(出勤初日は1月5日)です※4。大学4年生は卒業までの3ヵ月を非常勤で勤務する形になります。法人の規模は人員428名で、社員は57名です※9※10。

仰星監査法人は三優監査法人と合併するのですか?

三優監査法人と仰星監査法人は、「監査法人BDO Japan」の創設に向けて合併することで基本合意しました。合併予定日は2027年7月1日です。両法人は対等の精神に基づいて合併するとされ、法令上の手続としては仰星監査法人を存続法人、三優監査法人を消滅法人とする合併方式が想定されています。合併後の規模は業務収入 約110億円(2026年6月期見込)・人員822人(非常勤を含む)・被監査上場会社192社と公表されています。合併後の初任給や給与体系はまだ公表されていないため、2027年入所の条件は各法人がいま公表している募集要項が基準です。※19

仰星は過去に行政処分を受けたことがありますか?

監査法人への行政処分や検査結果は、金融庁公認会計士・監査審査会が公表しています。過去の有無は法人によって違うので、リンク先で法人名を探して確かめてください。この記事は就職の条件を扱うため、個別の処分の中身には立ち入りません。

まとめ

仰星監査法人の初任給は月額35万円。固定残業代は入っておらず、時間外勤務手当は別途支給されます※4。額面の数字より、中身の構成を見るほうが実態に近づきます。

要点を3行で。準大手4法人の初任給は35万円から36万5千円に収まり、大手を含めても給与では選び分けられません。気になりやすい点の一部は法人が数字を公表しており、公表されていない領域を推測で埋めている記事もあります。だから決め手は、規模・担当会社・任される速さ・勤務地という自分の優先順位に戻ってきます。

仰星を第一志望にするにしても、しないにしても、比べる相手を2つ3つ持ってから決めてください。大手と中小を1法人ずつ見ておくと、面接で話す内容まで変わります。急がば回れ、です。

参考文献・出典