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監査法人1年目の年収はいくら?1年目の仕事内容や2年目に向けた考えとあわせて解説

監査法人1年目の年収はいくら?1年目の仕事内容や2年目に向けた考えとあわせて解説

監査法人の仕事をするうえで、まずは1年目の年収から把握しておきたいという方も多いのではないでしょうか。今回は、監査法人1年目の年収傾向と、関連する以下の情報について解説します。

  • 監査法人勤務のビジネスパーソンとして働く方法
  • 監査法人1年目の仕事内容
  • 監査法人1年目のボーナスについて
  • 監査法人1年目で進めるキャリアパス
  • 監査法人1年目の段階で同期や周囲と差をつける方法
  • 2年目以降の年収を上げるための方法
  • 監査法人1年目の年収と他の仕事の年収比較

今回紹介する監査法人1年目の年収に関する内容は、あくまで参考としてご覧ください。

監査法人勤務のビジネスパーソンとして働くには

監査法人1年目の年収について触れる前に、そもそも監査法人勤務のビジネスパーソンとして働くにはどうすれば良いのか?という疑問を解消しましょう。ここでは、監査法人勤務のビジネスパーソンとして働く方法に挙げられる、以下2つの方法について解説します。

  • 公認会計士試験論文式試験に合格する
  • 資格を取得する

公認会計士試験論文式試験に合格する

日本公認会計士協会が行っている公認会計士試験論文式試験に合格することで、監査法人勤務のビジネスパーソンとして働けます。

資格を取得する

監査に関連する資格、例えば「USCPA」試験に合格することで、監査法人勤務のビジネスパーソンとして働けます。

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USCPAとは、米国各州により認定されている公認会計士の資格です。日本の監査法人で働くうえで直接的な効果は期待できないかもしれませんが「USCPAを取得している」こと自体が評価の対象になり、監査法人へ就職しやすくなる場合もあります。

監査法人1年目の年収傾向

監査法人1年目の年収は、所属する監査法人の規模による差は大きくありませんが、以下に挙げる規模別に、監査法人1年目の年収傾向をみてみましょう。

  • 大手監査法人
  • 準大手・中小監査法人

大手監査法人の場合、1年目の初任給目安は30〜35万円ほどとされています。賞与もあわせると、1年目の年収はおよそ550万円ほどです。(32万円 12ヶ月+ボーナス32万円 2ヶ月×2回=512万円)

日本人の20代における平均年収が200〜300万円台であることを考えると、非常に高水準の年収といえます。

準大手・中小監査法人でも、賞与と合わせることで年収の相場が550万円ほどとなるとされています。賞与とあわせても500~700万円ほどが相場であり、大手監査法人と遜色ないといえるでしょう。

なお、監査法人1年目の賞与に関しては、後ほど解説する「監査法人1年目でボーナスはもらえるのか」を参考にしてください。

また、大手監査法人と準大手・中小監査法人いずれも、残業代がしっかり支給されます。そのため、業務時間に応じて同じ1年目でも周囲と収入に差が出る可能性もあります。

監査法人1年目の年収は、大手監査法人と準大手・中小監査法人で大きな差はありません。

監査法人1年目で知っておくべき年収の構成要素

監査法人1年目の年収を理解するうえで、その構成要素の内訳を把握することは非常に重要です。1年目の年収は、基本給、残業代、福利厚生などの複数の要素で成り立っており、それぞれが異なる影響をもたらします。

この項目では、監査法人1年目で知っておくべき年収の構成要素について、基本給の割合、残業代の影響、そして福利厚生を中心に解説していきます。各要素の理解を深めることで、監査法人での1年目の収入の全体像や、今後の収入アップへの指針がより明確になります。

基本給の割合

監査法人1年目において収入の基盤となるのが基本給です。基本給は、監査法人での月々の安定した収入であり、特に1年目の公認会計士やスタッフにとっては収入の核となります。

大手監査法人の場合、1年目の基本給は30〜35万円ほどで設定されることが一般的です。年間ベースで見ると、12か月分の給与により360万〜420万円程度が基本給の総額となります。基本給が高いことで、1年目の年収が安定している点が監査法人勤務の特徴です。一般の新卒社員と比べても初年度の基本給が高く設定されているため、経済的な安定が得られやすくなります。

また、基本給は残業代やボーナス、さらには昇進による昇給とも連動しているため、最初の基本給の高さはその後の収入水準に直結しやすい傾向もあります。

残業代の影響

監査法人での勤務は繁忙期と閑散期がはっきりと分かれており、特に繁忙期には残業時間が増えることが一般的です。このため、残業代が年収に与える影響は大きく、特に1年目においてもその傾向が顕著に見られます。

監査法人では、残業代が別途支給されるため、繁忙期の残業が多いほど年収も増加します。具体的には、1年目の段階でも繁忙期の残業時間が多ければ、その分残業代も積み重なり、年間で100万円以上の増収となる場合もあります。大手監査法人では特に残業代の支給がしっかりしているため、入社1年目であっても十分な収入を得られる可能性があるのです。残業代が収入に及ぼす影響は、繁忙期の時間外労働が直接年収に反映されるため、1年目から周囲と年収に差がつきやすいポイントとも言えるでしょう。

福利厚生の影響

監査法人で働く場合、基本給や残業代に加えて、福利厚生も年収に影響を与える重要な要素の一つです。

監査法人は一般的に、福利厚生が非常に充実しており、1年目から多くのサポートを受けられる環境が整っています。例えば、家賃補助制度や通勤手当、各種社会保険はもちろんのこと、健康診断や自己研鑽のための費用補助制度など、幅広い福利厚生が提供されています。これにより、直接的な給与として現金収入にはならないものの、福利厚生の充実によって実質的な生活費の負担が軽減され、経済的な安定感が高まります。特に、住宅手当が提供される監査法人の場合、住居費の一部が補助されることで、可処分所得が増えることに繋がり、1年目からも金銭的な余裕が生まれる点が魅力です。

また、福利厚生によるサポートは長期的な成長を支えるものでもあり、社員の健康や自己研鑽の充実が、結果として収入アップやキャリア形成にも大きく貢献していくでしょう。

監査法人1年目の仕事

監査法人1年目の年収について把握するうえでは、1年目に担当することの多い仕事内容を知ることも大切です。入所してすぐの1ヶ月間は、研修に費やすことが多い傾向にあります。

研修を経て現場に出られるようになったら、各種勘定科目を担当することがあります。最初に担当する勘定科目の種類は、現金預金・その他資産負債などです。

また監査法人1年目は、通常業務と並行して補習所に通わなければなりません。

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補習所とは、修了考査の受験要件である「実務補習の修了」を満たすために、およそ3年ほど通う場所です。

監査法人1年目でボーナスはもらえるのか

たとえ監査法人に入所して1年目でも、ボーナスはもらえます。とはいえ、あくまで就職する監査法人の方針や業績によって、支給有無や金額面は異なることを前提としておきましょう。

監査法人1年目の役職は「スタッフ」であることが多く、スタッフのボーナスは以下のように設定されるのが一般的です。

基本給をベースに1ヶ月から最大2ヶ月分の金額

仮に月収が30万円であれば、以下の金額がボーナスとして付与されると想定できます。

  • ベース給与額1ヶ月分の場合:30万円×2回=60万円
  • ベース給与額2ヶ月分の場合:30万円×2ヶ月分×2回=120万円

監査法人におけるスタッフとは、現場責任者である主査(インチャージ)から指導を受け、現場で必要な知識や立ち居振る舞いを教わる立場です。ボーナス自体はもらえるものの、あくまで新人であるため、他のポジションよりは安い金額になります。

とはいえ、監査法人は、1年目でも他の企業と比べて高い金額のボーナスが支給されます。

監査法人1年目で進めるキャリアパス

監査法人1年目は、スタッフとして業務知識の会得や現場に慣れることに注力する期間です。シニアスタッフになるまでは一般的に3~4年ほどかかります。とはいえ、スタッフとして監査業務の経験値を重ね、修了考査に合格すればシニアスタッフに昇進できます。

監査法人1年目で周りと差をつけるには

監査法人1年目でより高い年収を実現するためには、以下に挙げる方法を実践して周りと差をつける必要があります。

  • 経験・知識を身につける
  • 昇進・昇格を視野に入れて行動する

ここで紹介する内容は年収を上げるだけでなく、自身の監査法人勤務のビジネスパーソンとしてのキャリア形成を明確にするうえでも重要な視点です。監査法人を目指す方はもちろん、監査法人勤務のビジネスパーソンとしてのレベルアップを検討している方もぜひ参考にしてください。

経験・知識を身につける

監査法人1年目の段階で経験と知識をより多く身につけるには、周囲とは異なる形で努力することが大切です。業務に関する勉強を独自で進めるなどして、周囲の人間以上に努力を重ねる必要があります。

昇進・昇格を視野に入れて行動する

1年目の段階で、昇進や昇格を視野に入れたスタンスで業務に臨むことも大切です。「経験・知識を身につける」の項目で紹介したような独自での学習を行うと、周囲と自然に差がつきます。監査法人の昇進・昇格は、年齢や経験年数を重ねることで自動的に発生するものではありません。そのため、昇進や昇格にはあくまで自身のスキルや知見、業務におけるスタンスが大切であることを認識しておきましょう。

2年目以降の年収を上げるためにしておくべきこと

1年目で周囲に差をつけるのではなく、2年目以降に年収をアップさせる考え方もあります。関連資格の取得やキャリアパスごとに必要な経験・知識の洗い出しを1年目の段階で行うことで、2年目以降の昇進・昇格が現実的になります。

キャリアパスごとに必要な経験・知識の洗い出し

監査法人勤務のビジネスパーソンとして順調にキャリアを重ねるため、キャリアパスごとに求められる経験や知識を洗い出しておくことも大切です。以下では、監査法人のキャリアパスと基本的な役割を紹介しています。

スタッフ入社1年目から3年目。指導を受けながら、監査に関する基本を学ぶ。
シニアスタッフ入社4年目頃以降。現場責任者としてスタッフをまとめる。自身の業務と育成を並行することが多い。
マネージャー入社8年目頃以降。シニアスタッフも含めたチーム全体をまとめる管理職になる。
パートナー入社15年目頃以降。法人経営の一角を担う。

監査法人1年目の年収を他の仕事と比較

ここでは、監査法人1年目の年収と、他の仕事における1年目の年収を、令和1年の「賃金構造基本統計調査(厚生労働省)」をもとに比較します。

業種1年目の年収
建設業240万円
製造業223万円
鉱業・採石業・砂利採取業257万円
卸売業・小売業241万円
電気・ガス・熱供給・水道業237万
運輸業・郵便業222万円
不動産業・物品賃貸業251万円
情報通信業262万円
金融業・保険業244万円
宿泊業・飲食サービス業216万円
生活関連サービス業・娯楽業231万円
複合サービス事業208万円
教育・学習支援業237万円
学術研究・技術サービス業265万円
医療・福祉234万円
その他サービス業231万円

いずれの業種も、1年目の年収は200万円台がほとんどでした。監査法人1年目の年収相場が500〜550万円であることを踏まえると、やはり一般企業よりも高い年収を得られる仕事ということがわかります。

1年目におすすめの監査法人10選

下記で、監査法人1年目におすすめの法人を10法人紹介します。

1. 三優監査法人

三優監査法人が1年目におすすめの理由は下記の通りです。

  • 積極的に人材育成に力を入れている
  • 早期の昇進・昇格が狙える
  • 海外研修制度や語学研修制度など、充実した研修制度
  • ワークライフバランスを重視している
  • 風通しの良い社風で、働きやすい

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​​参照:三優監査法人 – BDO

参照:新卒・キャリア採用情報 – 三優監査法人

2. 太陽有限責任監査法人

下記が太陽有限責任監査法人が1年目におすすめの理由です。

  • 大手と中小のメリットを兼ね備えた組織文化
  • IPO、監査、国際業務、アドバイザリー、金融業務など、多岐にわたる業務
  • 子育て支援制度や海外駐在制度など、充実した福利厚生
  • 英語自己学習プログラムやGTILトレーニングプログラムなど、国際的なキャリアパス
  • 入所時から責任ある業務を担当し、即戦力として活躍できる

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参照:太陽有限責任監査法人 | Grant Thornton

参照:太陽有限責任監査法人 採用情報 | Grant Thornton

3. 仰星監査法人

仰星監査法人は下記の視点で1年目におすすめです。

  • パブリック関連業務に強みがあり、地方公共団体や国関連機関、NGOなどの被監査会社が多い
  • 風通しの良い職場で、多様な人材が活躍できる
  • 育休取得後復帰率100%と高く、ワークライフバランスを実現

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参照:採用情報|仰星監査法人

4. 東陽監査法人

東陽監査法人が1年目におすすめの理由は次の通りです。

  • 国際的な業務が多く、IFRS対応などの業務にもチャレンジできる
  • オープンでアットホームな社風で、コミュニケーションが活発
  • コミュニケーションスキル養成研修や監査業務スキル養成研修など、充実した研修制度
  • マネージャーへの昇進は7〜15年目、パートナーへの昇進は15年目以降と、明確なキャリアパス

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参照:東陽監査法人

参照:東陽監査法人 採用情報サイト

5. ひびき監査法人

ひびき監査法人には、次のような1年目におすすめの理由があります。

  • 部門間の垣根がなく、多様な業務に携わりながらキャリア形成できる
  • パートナーとの距離が近く、コミュニケーションスキルを活かした関わりが持てる

この会社の採用情報を詳しく知りたい方

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参照:トップページ – ひびき監査法人-PKF Japan

参照:募集要項 – ひびき監査法人-PKF Japan

6. アーク有限責任監査法人

下記がアーク有限責任監査法人の1年目におすすめの理由です。

  • 早い段階から責任ある仕事を任せられ、スピーディーに成長できる
  • 豊富な経験を持つパートナーの指導により最短距離でスキルアップできる

この会社の採用情報を詳しく知りたい方

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参照:定期採用 _ アーク有限責任監査法人

7. 有限責任あずさ監査法人

有限責任あずさ監査法人の1年目におすすめの理由は下記の通りです。

  • 大手監査法人の1つで、グローバルなキャリアパスを描くことができる

この会社の採用情報を詳しく知りたい方

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参照:あずさ監査法人 – KPMGジャパン

参照:あずさ監査法人|会計士採用情報|定期採用|募集要項

参照:あずさ監査法人|会計士採用情報|定期採用|私たちが伝えたいこと

8. PwC Japan有限責任監査法人

PwC Japan有限責任監査法人は下記のポイントで1年目におすすめです。

  • 大手監査法人の1つで、グローバルなキャリアパスを描くことができる

この会社の採用情報を詳しく知りたい方

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参照:PwC Japan有限責任監査法人概要 | PwC Japanグループ

参照:PwC Japan有限責任監査法人 総合採用サイト _ PwC Japanグループ

9. EY新日本有限責任監査法人

EY新日本有限責任監査法人が1年目におすすめの理由は次の通りです。

  • 大手監査法人の1つで、グローバルなキャリアパスを描くことができる
  • IT監査に強みがあり、専門性を磨ける

この会社の採用情報を詳しく知りたい方

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参照:EY新日本有限責任監査法人 法人案内 | EY Japan

参照:EY新日本有限責任監査法人定期採用サイト

10. 有限責任監査法人トーマツ

有限責任監査法人トーマツの1年目におすすめの理由は下記が挙げられます。

  • 大手監査法人の1つで、グローバルなキャリアパスを描くことができる
  • 製造業監査に強みがあり、専門性を磨ける

この会社の採用情報を詳しく知りたい方

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参照:沿革|コーポレート:会社案内(有限責任監査法人トーマツ)|デロイト トーマツ グループ|Deloitte

参照:包括代表からのご挨拶|コーポレート:会社案内(有限責任監査法人トーマツ)|デロイト トーマツ グループ|Deloitte

参照:有限責任監査法人トーマツ 採用サイト

まとめ

最後に、今回の記事の内容をまとめてご紹介します。

  • 監査法人1年目の年収は500〜550万円が相場
  • 監査法人1年目は業務に従事しながら補習所に通う
  • 監査法人は1年目でもボーナスが支給される
  • 監査法人1年目はスタッフとして業務経験を積むことが大切
  • 監査法人1年目のうちに経験や知識を身につけることで周囲と差をつけられる
  • 監査法人1年目の年収は他の業種と比べても高い

監査法人は1年目でも高い年収を得られる仕事ですが、専門知識の会得が求められるのも特徴です。そのため、まずは収入アップではなく、監査法人勤務のビジネスパーソンとして成長するための目標設定が重視されます。

監査法人に就職したくても、どのように進めるべきかわからないと悩んでいる方は、下記も参考にしてください。