就活ノウハウ

監査法人の面接対策とは?よく聞かれる質問と志望動機や自己PRを考えるコツ

監査法人の面接対策とは?よく聞かれる質問と志望動機や自己PRを考えるコツ

公認会計士試験に合格した後、監査法人へ就職したい場合、どのような面接対策が必要なのでしょうか。

今回の記事では、監査法人の面接を控えている方に向けて、以下の内容を解説します。

  • 面接でよく聞かれること
  • 面接でよくある逆質問の注意点
  • 志望動機を考えるときのコツ
  • 自己PRを考えるときのコツ
  • 就活スケジュール

監査法人の就活はタイトなスケジュールとなるため、いざとなって焦らないよう、早めの準備をおすすめします。

監査法人の面接でよく聞かれること

監査法人の面接でよく聞かれる質問について、回答の仕方についてもあわせてご紹介します。

自己紹介・自己PR

他の職種と同様に、自己紹介や自己PRは監査法人の面接でもよく聞かれます。

ポイントは、長くなりすぎないよう、伝えたいことを簡潔に述べることです。
自己紹介は1分程度、自己PRは2分〜3分程度が目安です。

自己紹介では趣味などを、自己PRでは長所などを述べ、どちらも最後に意気込みを伝えるようにします。

志望動機

志望動機も必ずといっていいほど聞かれる質問なので、事前に回答をまとめておくと本番でも言葉に詰まりません。

志望する監査法人について細かく調べておき、同じような事業内容や仕事内容の監査法人がある中で、なぜその監査法人を志望したのかを述べられるようにします。

また、志望する監査法人が求める人物像を把握し、その上で自分に何ができるのかを伝えられると、他の応募者と回答が被りにくくなります。

コンサルティング会社や公認会計士事務所ではなく、監査法人を志望する理由もあわせて考えておくことが大切です。

これまでの経験

学生時代の部活やアルバイトを含めた、これまでの経験について聞かれることもしばしばあります。

聞かれる内容は、「今までで一番努力したこと」や「苦労したこと」などですが、その経験で何を得たのか、どのように乗り越えたのかまで聞かれることもあります。

これまでの経験から、自己PRに繋げられるような回答内容を考えておくのがおすすめです。

公認会計士について

「なぜ公認会計士になったのか」「どのような公認会計士を目指したいのか」などの、公認会計士に関することも聞かれやすい質問の一つです。

他にも、「公認会計士にとって大切だと思うこと」や「担当したい業務」についてなどもあります。

いずれも、熱意を伝えやすい質問なので、ぜひ回答を考えておきたいテーマです。

逆質問

面接の最後によくあるのが、「最後に何か質問はありますか?」といった逆質問ですが、監査法人の面接も例外ではありません。

「わからないことがあれば聞けばいい」ぐらいに思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、この質問で意欲の度合いを見られているかもしれません。

志望する監査法人のホームページなどに載っている内容について逆質問をすれば、意欲をアピールできます。

また、「実際に入所してみたら想像と違った」ということがないよう、社風や具体的な業務について聞いてみても良いでしょう。

その他

他に併願している監査法人があるかどうかも、よく聞かれます。

「併願はしていない」と答えた方が印象が良さそうに思えますが、面接官も併願していることは見越しているので、偽らずに正直に答えて構いません。

また、併願していない監査法人についてや、苦手な人への対応についてなど、ネガティブな内容を質問されることもあります。

ここで気をつけたいのが、ネガティブな質問であっても、回答はポジティブなものにすることです。

例えば、併願しなかった理由を述べるのではなく、「志望している監査法人の方が自分の強みを活かせると思ったから」といったような内容にします。

監査法人の面接でよくある逆質問の注意点

面接でよくある逆質問ですが、この質問で注意しておきたい点を4つご紹介します。

必ず何か質問する

逆質問について「わからないことがあれば聞けばいい」ぐらいに思っている場合、「特にありません」と答えてしまいがちですが、これはあまり良くありません。

何も質問しないと意欲が低いと思われてしまうこともあり、良い印象を与えられないので、何か一つは質問するようにします。

意欲や熱意をアピールできるような逆質問を、事前にいくつか考えておくと、当日の場面に合わせて選択できます。

たくさん質問しすぎない

逆質問で何も質問しないと印象が悪くなることがありますが、質問のしすぎにも注意が必要です。

選考の段階では細かく答えられない事項もあるので、質問するのは2個〜3個程度に留め、あまり深掘りしすぎないようにします。

給与や福利厚生に関する内容は避ける

給与や福利厚生については多くの人が気になる点ですが、逆質問の内容としては避けた方が無難です。

あくまで採用するか否かを決める面接の段階なので、給与や福利厚生を重要視しているように聞こえてしまうと、あまり良い印象を与えません。

どうしても知りたい場合には、「OB・OG訪問」をしたり、内定後に確認したりすることをおすすめします。

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「OB・OG訪問」とは、気になる企業で働く先輩にアポイントをとり、実際に訪問してさまざまな話を聞くことです。

すでに公開されている情報を質問しない

逆質問で気をつけたいのが、すでにホームページに載っている情報や、説明のあった内容について質問してしまうことです。

事前にきちんと調べたり、話を聞いたりしていないのだと、マイナスに受け取られてしまうかもしれません。

なお、すでに公開されている情報について、詳細を確認するような逆質問であれば問題ありません。

監査法人の志望動機を考えるときのコツ

志望動機を考えるときには、いくつかコツがあるので、ぜひチェックしてみてください。

監査法人の規模を考慮する

志望動機は、志望するのが大手監査法人なのか、もしくは準大手監査法人や中小監査法人なのかによって考え方が変わってきます。

公認会計士試験を受験する大半の人が就職先として志望する大手監査法人では、大手監査法人の中でなぜその監査法人を選んだのかについてを述べます。

逆に、準大手監査法人や中小監査法人の志望動機に盛り込むのは、大手監査法人ではなくその監査法人を選んだ理由です。

どちらの場合も、「自分が理想とする公認会計士になるために、その監査法人で働きたい」といった流れにすると良いでしょう。

法人説明会に参加して印象に残った点がある場合には、その内容を盛り込むのも有効です。

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公認会計士試験の受験者の就職先として、大手監査法人は圧倒的に人気です。
しかし、準大手監査法人や中小監査法人では志望度が重要視されやすく、入所の意欲が高いほど採用されやすい傾向にあります。
また、準大手監査法人や中小監査法人では、幅広い業務を経験できるのも魅力です。

監査法人ごとの特徴をおさえておく

監査法人は、規模の違いだけでなく、それぞれの監査法人で特化した分野があります。
例えば、外資系、金融系、コンサルといった分野などです。

まずは、希望する監査法人がどのような分野に特化しているのかを知り、さらにどのような特徴があるのかも徹底的に調べます。

調べた特徴の中で、魅力に感じた部分を志望動機に盛り込むことで、それぞれの監査法人に合った志望動機を作成できます。

また、監査法人ごとの特徴から必要とされる人物像を想定し、自分の強みと合う部分を探してアピールするのもおすすめです。

この特徴は、志望動機だけでなく、面接で熱意をアピールするための材料にもなります。

業務に対する意欲を盛り込む

志望動機の作成においては、それぞれの監査法人の魅力を述べるのと同じくらい、業務に対する意欲を盛り込むことも大切です。

なぜその業務をしたいと思ったのか、その根幹を述べることで、志望動機がより信憑性の高いものになります。

志望する監査法人に就職する以前に、その業務自体に高い意欲を持っている人の方が、採用する側としては魅力的なのです。

自己PRを考えるときのコツ

自己PRを考えるときには、まず自分の長所は何かを考えます。

「自分の長所がすぐに思い浮かばない」という場合には、2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」を参考にするのがおすすめです。

「社会人基礎力」は、次のように3つの能力(12の能力要素)で構成されています。

【社会人基礎力】

  • 前に踏み出す力(主体性・働きかけ力・実行力)
  • 考え抜く力(課題発見力・計画力・創造力)
  • チームで働く力(発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力・規律性・ストレスコントロール力)

アピールしたい自分の長所が決まったら、それを裏付けるエピソードを探します。

実際に自己PRの文章を作成するときには、自分の長所を述べた後にエピソードを挟み、最後にその長所を仕事でどのように活かすのか、で締めます。

長所やエピソードは自慢できるようなものである必要はなく、一般的な程度のもので構いません。
採用する側としては、応募者がどのような人なのかを知りたいだけなのです。

逆に、できることをアピールしすぎると、かえって印象が悪くなることがあります。

専門家集団である監査法人では、常に新しい知識を吸収し、勉強し続けなければなりません。

そのため、できることで満足するのではなく、できないことを克服していく熱意と謙虚な姿勢が重要視されるのです。

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監査法人の面接を受ける人は、全員、公認会計士試験の受験勉強を頑張ってきた人達なので、自己PRで公認会計士試験の受験勉強をエピソードにあげるのは避けた方が無難です。

監査法人の就活スケジュール

監査法人の就活は、非常にタイトなスケジュールで進みます。

11月に公認会計士試験の合格発表があった後、12月初旬までの2週間~3週間で慌ただしく採用選考(面接)が行われます。

このため、監査法人主催の法人説明会は論文式試験終了後から合格発表前(8月下旬から11月中旬)までに開催され、合格発表後にはあまり行われていません。

また、採用選考(面接)後の内定通知も、早いと採用選考(面接)の当日、遅くても3日後には通知されます。

内定を承諾した後、多くは12月~2月に入所となりますが、12月中旬には入所式が行われるような監査法人もあります。

このように、監査法人の就活は公認会計士試験の合格発表前から始まり、合格発表から2週間で、どの監査法人で働きたいかを決めなければならないのです。

不合格だと思って何も準備をしていないと、合格していた場合に慌てて就活を始めることになります。

しかし、合格発表があってから動き出すのでは、希望する監査法人の法人説明会などが終わっているかもしれません。

少しでも合格の可能性がある場合には、論文式試験が終わったら就活を始めていきましょう。

法人説明会への参加は予約が必要なことも多いので、ホームページを定期的に確認したり、メール配信サービスに登録したりしておくのがおすすめです。

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法人説明会は、基本的にスーツでの参加となるので、ビジネススーツを持っていない場合には論文式試験の前に準備しておくと慌てずに済みます。

面接当日の注意点と成功の秘訣

面接当日は第一印象が非常に重要です。以下のポイントを押さえて、自信を持って臨みましょう。

身だしなみを整える

公認会計士は被監査会社と接する機会が多いため、清潔感のある身だしなみが求められます。男性は黒か紺のスーツにネクタイ、女性はジャケットを着用し、ビジネスにふさわしい服装を心がけましょう。服装には汚れやしわがないかをチェックし、髪型は前髪が目にかからないように整えます。男性はひげをきれいに剃り、女性はナチュラルなメイクを心がけます。靴も磨いておきましょう。

時間に余裕を持って行動する

面接当日に遅刻することは厳禁です。早めに到着するように行動し、面接開始の10分前には到着するようにしましょう。早すぎる到着もマナー違反とされることがあるため、時間を見計らって行動することが大切です。遅れる場合は早めに連絡を入れ、誠実に対応しましょう。

自然な笑顔で応対する

面接官は表情や態度を細かく観察しています。自然な笑顔で応対し、ハキハキと自信を持って話すことで好印象を与えます。緊張していてもリラックスした雰囲気を心がけ、面接官とのコミュニケーションをスムーズにしましょう。

質問には結論から答える

面接での質問に対しては、結論から簡潔に答えることがポイントです。結論を先に述べ、その後に具体的な事例や詳細を補足する形で回答すると、面接官に伝わりやすくなります。長々と話すのではなく、要点を押さえた簡潔な回答を心がけましょう。

リラックスして話す

緊張は避けられませんが、深呼吸をしてリラックスすることが大切です。リラックスして話すことで、自分らしさを自然に表現でき、面接官とのコミュニケーションもスムーズになります。緊張して言葉に詰まった場合は、焦らずに一呼吸おいてから話し始めましょう。

面接当日は、自分自身を信じて堂々と臨むことが成功の秘訣です。しっかりと準備をし、不安を軽減することで、自分の魅力を最大限にアピールできるようにしましょう。

まとめ

最後に、今回の記事の内容をまとめてご紹介します。

  • 監査法人の面接では、自己紹介や自己PR、志望動機、これまでの経験、公認会計士について、逆質問などがよく聞かれる
  • 逆質問では1個〜3個程度は質問するようにし、給与や福利厚生、すでに公開されている情報の質問は避ける
  • 志望動機は、監査法人の規模、監査法人ごとの特徴をふまえて作成し、業務への意欲も盛り込む
  • 自己PRは、自分の長所を述べた後に関連するエピソードを挟み、最後に仕事での活かし方で締める
  • 監査法人の就活は、論文式試験終了直後から始まり、合格発表後の2週間〜3週間で採用選考(面接)が行われる

監査法人の就活はタイトなスケジュールとなるため、面接対策も早めに行っておくことをおすすめします。

早めに準備しておくと、面接にも落ち着いて臨めます。

参考:日本公認会計士協会