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中小監査法人への転職はキャリアパスに影響する?準大手監査法人という選択肢についても解説!

中小監査法人への転職はキャリアパスに影響する?準大手監査法人という選択肢についても解説!

キャリアパスについてさまざまな思いを巡らせている方も多いのではないでしょうか。まずは大手監査法人に入所して、その後に中小監査法人へ転職というプランを立てている方もいるかもしれません。

でも、少し考えてみてください。転職はあなたのキャリアパスに有利に働くのでしょうか?また、準大手監査法人の存在をご存じですか?

本記事では、中小監査法人の魅力について説明します。そこで働く魅力や大手監査法人との違い、今後のキャリアパスに与える影響についても説明します。ぜひ、参考にしてみてください。

中小監査法人の魅力とは?

監査法人は大きく3つに分類できます。この分け方の定義や中小監査法人の魅力、特徴についてくわしく解説します。

さらに、準大手監査法人や、大手監査法人との比較についても説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。

中小監査法人とは

大手監査法人及び準大手監査法人以外の監査法人を中小監査法人といいます。「big4」の名称でも知られる大手監査法人は次の法人です。

  • 新日本有限責任監査法人(アーンストアンドヤング)
  • 有限責任監査法人トーマツ(デロイトトゥシュトーマツ)
  • 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
  • あらた有限責任監査法人(PwC)(2023年12月1日付でPwC京都監査法人と合併し、PwC Japan有限責任監査法人に名称変更した。)


金融庁の「公認会計士・監査審査会」から発表されている「令和5年版 モニタリングレポート」で「準大手監査法人」として紹介されているのは、次の5つの法人です。

  • 仰星監査法人
  •  三優監査法人
  • 太陽有限責任監査法人
  • 東陽監査法人
  •  PwC 京都 監査法人(2023年12月1日付でPwCあらた監査法人と合併し、PwCJapan有限責任監査法人に名称変更した。)

準大手監査法人は、大手に準ずる規模の監査法人です。


「大手監査法人」 上場国内会社を概ね 100 社以上被監査会社として有し、かつ常勤の監査 実施者が 1,000 名以上いる監査法人。本レポートでは、有限責任あずさ監査法人、有限責任監査法人トーマツ、EY 新日本有限責任監査法人及び PwC あらた有限責任監査法人(現:PwCJapan有限責任監査法人)の4法人を指す。 

「準大手大監査法人」 大手監査法人に準ずる規模の監査法人。本レポートでは、仰星監査法人、 三優監査法人、太陽有限責任監査法人、東陽監査法人及び PwC 京都 監査法人(現:PwC Japan有限責任監査法人)の5法人を指す。 

「中小監査法人」 大手監査法人及び準大手監査法人以外の監査法人

引用 : 令和5年版 モニタリングレポート / 金融庁 P5~6


中小監査法人の特徴

中小監査法人は、多様な方針や理念を持つのが特徴です。大手監査法人から独立して設立する人も多く、大手で培ってきた自身の信念を反映した理念や価値観を備えているといえます。

たとえばこれらの法人は、特定の業界に特化していたり、労働環境を重視しているところもあります。このように多様性があるからこそ、自分の希望に合った監査法人と出会える可能性が高まるのです。

自分のキャリアプランや価値観に合った法人を選ぶことで、より充実した就労環境と出会えるのです。さらに、中小監査法人では、早い段階から重要な業務に携わる機会が得られる傾向にあります。この環境に身を置くことは、自分の成長やスキルアップにもつながり、キャリアパスにも大きく影響するといえるのです。

大手監査法人との比較

中小監査法人の魅力は大手監査法人とは異なります。

たとえば、大手監査法人で担当を受け持つ場合、規模の大きさから受け持つ被監査会社は一社に限られるパターンもある一方、中小監査法人の場合は一人で数社の被監査会社を受け持つのが通常です。企業の規模が小さくても、経験の幅としては中小監査法人の方がより広がりを見せるでしょう。

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そのほか、法人や労働環境についても比較し、次の通り一覧表にまとめました。自分のキャリアパスと照らし合わせて参考にしてみてください。

中小監査法人大手監査法人
法人の規模・数百人以下・1,000名以上
知名度・低め・高め
被監査会社規模・主に中小企業・主に大手企業
残業時間・まったく残業が発生しない場合もある・長時間労働が常態化
昇進スピード・昇進スピードが早い・一定以上のポジションになると昇進が困難
年齢層・転職組も多く、年齢層も高め・幅広い年齢層
人脈づくり・上司や同僚とは「共に働く」環境
・被監査会社との距離感は割と近い
・従業員数が多い
監査チーム・全体像が把握しやすく作業を効率化しやすい
・多くの科目や多様な監査論点を早めに経験できる
・多人数チームを編成
参考 : 監査法人へ就職するならどこが良い?選び方と注意点を解説 / 会計士キャリアナビ

中小監査法人と大手監査法人 | 監査チームの比較

中小監査法人はキャリアパスを考えるうえで、非常に魅力的な選択肢だといえます。なぜなら、初期段階から多くの科目を経験できるからです。

大手監査法人では、多人数でチームを編成する事が多いため、キャリアの初期段階では一つの科目を担当することが一般的です。 一方、中小監査法人では、少人数または一人でさまざまな業務に携わることになります。一部分だけでなく、全体的な業務に携わることで、短期間で経験を積めるのです。

中小監査法人と大手監査法人 | 働き方の比較

 働きやすい環境を重視するなら、中小監査法人がおすすめです。働き方の視点から大手監査法人と比較してみるとよくわかります。

たとえば、残業時間について比較します。一般的に大手監査法人は、残業が多いと言われています。一方、中小監査法人は被監査会社の規模により、残業がほとんどない法人も存在します。

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法人規模が大き過ぎないため、個人の意見を届けやすい環境であるのも、過ごしやすさを重視した働き方ができる理由といえるのです。

中小監査法人を選択するメリットとその理由

就職先の選択肢として、中小監査法人がおすすめです。キャリアステップに合わせて転職を考えるのも一つの方法ですが、幅広く活躍できる中小監査法人はとても魅力的な就職先だといえます。

中小監査法人にしかないメリットを、大きくわけて4つ紹介します。

中小監査法人の魅力 | 多様なスキルを習得できる環境

中小監査法人では、被監査会社の経営層との距離が近いため、ビジネスの現場を肌で感じられます。この体験は、将来的なキャリア形成に大きく役立つでしょう。

中小監査法人は、若手公認会計士のスキル向上に最適な環境を提供している場合が多く、キャリアパスの選択肢が広がるでしょう。OJT教育を重視する傾向にあり、入所後は、現場の上司が若手の能力や希望に応じて、OJT教育を行うなど手厚く指導を受けられるのが特徴です。

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少人数のチームで様々な業務を担当する機会が多いため、幅広いスキルを身に付けることが可能です。

中小監査法人の魅力 | ワークライフバランスの整った働き方

中小監査法人では、整ったワークライフバランスを推奨する法人が多く存在するのもメリットです。

たとえば、残業時間の削減や有給休暇の取得推進など、従業員のプライベートな時間を尊重する姿勢を示しているのです。

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実際に多くの公認会計士の方が、より自分の希望に合った働き方を求めて、大手監査法人から中小監査法人へ転職するという傾向が見受けられます。


子育てや介護と仕事の両立を図りたい場合、中小監査法人なら柔軟な勤務制度の導入や、在宅勤務の推進などが行われているケースも多くあります。

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就職先を選ぶ際、これらの将来のライフイベントを想定し、自分に合った働き方ができる環境にあるのは、中小監査法人を選ぶメリットといえるのです。

中小監査法人の魅力 | 昇進の早さ

中小監査法人では規模が大き過ぎないのでライバルも少なく、昇進や昇格が大手監査法人に比べて早い傾向があります。中小監査法人では、個人の能力と成果が直接評価につながりやすく、実力次第で若くても責任ある立場に就くことができるため、成長の機会も豊富です。

一方、大手監査法人で昇進や昇格するのは難しいと言われています。大手監査法人の場合、人数が多いうえポジションに空きがないことが多く、なかなか昇進できないのです。

中小監査法人でキャリアを積み上げていくことで、将来的には独立などへのステップアップも可能です。早期のキャリアアップを目指すなら、中小監査法人は非常に魅力的な選択肢だといえます。

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監査法人の役職は、スタッフ、シニアスタッフ、マネージャー、パートナーに分かれています。上位のパートナーを目指すなら、昇進・昇格の早い中小監査法人への就職がおすすめです。少人数の中で評価を獲得できれば早期のステップアップも夢ではありません。

中小監査法人の魅力 | 大手監査法人と比較した年収

中小監査法人で受け取る年収は、長期的にみると必ずしも低いわけではありません。しかし、一般的には大手監査法人よりも年収が低いと思われる傾向にあります。

中小監査法人では、大手監査法人よりも昇進・昇格のスピードが早く、それにともない年収も上昇します。したがって、早期にマネージャーやパートナーに昇進することで、年収を早期に上げる事が出来る可能性があるのです。

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また、優秀な人材を確保するため年収が高めに設定される傾向にあります。


自分のキャリアプランや働き方の希望に合わせて、様々な選択肢から法人を選ぶことが大切です。年収は重要な要素ですが、仕事内容やワークライフバランス、将来のキャリアパスなども総合的に考慮して、自分に合った法人を選ぶと良いでしょう。

参考 : 中小監査法人の年収はいくら?役職・年齢による年収の変化や大手監査法人との比較も解説 / 会計士キャリアナビ

中小監査法人を選択する際に押さえておきたいポイント

中小監査法人の中から就職先を選択する際、押さえておきたいポイントを2つ紹介します。

中小監査法人は数多く存在します。多くの法人の中から自分に合う働きやすい環境を見つけましょう。

自分のキャリアパスに合った中小監査法人を見つける

自分に合った中小監査法人を見つけるには、各法人の理念や方針、特色を理解し、自分の希望と照らし合わせることが大切です。

中小監査法人はについて、気になる法人があれば入念に調べることをおすすめします。 大手監査法人のように画一的ではなく、各法人が独自の特色を持っているのが特徴です。

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自分が何を重視し、どのような環境で働きたいのかを明確にしておくことも大切です。


気になる法人があれば、ホームページやパンフレットなどで情報収集するだけでなく、実際に働いている人の声を聞くのも有効的です。中小監査法人は法人数も多いので、自分の希望に合う法人が見つかる可能性が高いと言えます。

転職や口コミサイトで社内情報をチェックする

中小監査法人への就職を考える際には、社内情報をチェックするのもポイントです。openworkなどの口コミサイトから企業が発信する情報以外のリアルな声にも耳を傾けてみましょう。ただし、公式な情報ではない可能性もあるため、サイトの書き込みをすべて鵜呑みにする必要はありません。

書き込みの内容から、職場の雰囲気や風通しの良さ、20代の成長環境などが確認できます。また、有給消化率や残業時間などもチェックできるので、自分のワークライフバランスと合っているのかもイメージしやすいでしょう。働きやすい環境を整えている中小監査法人を探すのなら、合わせて離職率を確認するのもポイントの1つです。

自分の希望に合った働き方ができるかどうかは、法人の規模だけでは判断できません。多くの意見に耳を傾けて、情報を集めましょう。

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企業の文化や価値観、業務内容、キャリアパスなど、様々な要素を総合的に考慮することが大切です。社内情報はその指針の一つになるといえます。

まとめ

今回の記事内容をまとめました。

  • 中小監査法人は、大手監査法人とは異なる魅力を持つ
  • 初期段階から多様な業務に取り組めて、公認会計士としてのスキルを総合的に高められる
  • ワークライフバランスを重視する法人も多く、 柔軟な勤務制度や、残業時間の削減など、従業員のプライベートな時間を尊重する姿勢を持っている法人が多い
  • 大手監査法人と比べて早期にマネージャーやパートナーに昇進できる可能性もあり、早期に高い報酬を得られる可能性もある

魅力溢れる中小監査法人でのキャリアパスも視野に入れながら、大手から準大手・中小まで幅広い選択肢から最適な監査法人を選びましょう。