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【2026年版】監査法人の年収は?年齢・役職別の相場を徹底解説

「監査法人に入れば年収1,000万円」。就活の説明会でそんな話を耳にして、実際のところどうなのか気になっている人は多いはずです。合格発表を控えたこの時期、進路を年収で判断していいのか迷う気持ちもよく分かります。

結論から言えば、監査法人の年収は「役職」でほぼ決まります。入所直後のスタッフで500万円台、マネージャーで1,000万円超、パートナーになれば2,000万円に届く人もいます。つまり、いま見るべきは初任給の額そのものより、その先の年収がどう伸びていくかという「カーブ」です。

この記事では、2026年時点の相場をもとに、監査法人の年収を年齢別・役職別・規模別の3つの角度から整理しました。読み終えるころには、説明会で「御法人の年収は何年目でどのくらい伸びますか」と踏み込んで質問できるようになっているはずです。

この記事の要点

  • 監査法人の年収は役職で決まる。スタッフ500万円台、マネージャー1,000万円超、パートナー2,000万円が大手の目安
  • マネージャー以上は年俸制で賞与なし。額面は上がるが手取りの伸び方や税負担の見え方が変わる
  • 大手・準大手・中小の差はスタッフ級では小さく、昇進スピードとクライアント規模で開いていく

監査法人の年収は役職で決まる|年収カーブの全体像

監査法人の年収は役職で決まり、大手の目安はスタッフ500〜600万円、マネージャー900〜1,200万円、パートナー1,500万円超です。勤続年数や年齢よりも、いまどの役職にいるかが年収を左右します。

監査法人には5段階の役職があります。入所直後がスタッフ、数年でシニアスタッフ、その先にマネージャー、シニアマネージャー、パートナーと続きます。役職が1つ上がるたびに、年収は100万〜300万円単位で跳ね上がります。逆に言えば、同じ役職にとどまっている限り、年齢を重ねても年収は大きくは動きません。

ここで見落としがちなのが、マネージャー以上は年俸制になり、賞与(ボーナス)がなくなるという点です。スタッフとシニアスタッフの間は月給+夏冬の賞与という一般的な給与体系ですが、マネージャーに昇進すると年俸を12分割した形になります。額面の年収は上がっても、「ボーナスでまとまったお金が入る」感覚はなくなります。

役職 昇進の目安(入所後の年数) 年収レンジ(大手・目安)※2 給与体系
スタッフ 1〜3年目 500〜600万円 月給+賞与(年2回)
シニアスタッフ 3〜4年目に昇進 650〜850万円 月給+賞与(年2回)
マネージャー 5〜7年目に昇進 900〜1,200万円 年俸制(賞与なし)
シニアマネージャー 8〜10年目に昇進 1,200〜1,500万円 年俸制(賞与なし)
パートナー 11年目以降 1,500万円〜(業績連動) 報酬(法人の社員)

年収レンジは大手Big4の目安で、各法人の公式採用情報をもとに整理しています(※2)。昇進年数は標準的なモデルで、評価や配属により前後します。

パートナーは法人に雇われる立場ではなく、法人の「社員」、つまり共同経営者にあたります。年収は法人の業績と担当クライアントの規模で大きく変わり、2,000万円を超える人もいれば、就任直後は1,500万円前後という人もいます。ここは実力と貢献がそのまま数字に出る世界です。

初任給そのものの相場を細かく知りたい人は、監査法人の初任給ランキングを法人別にまとめた記事もあわせて読んでみてください。額面と手取りの違いまで整理しています。

年齢別に見る監査法人の年収相場【20代〜50代】

年齢別に見ると、20代前半で約520万円、30代前半で約1,000万円、40代で1,400万円台が目安です。ただしこの数字は「その年齢で標準的に到達している役職」を反映したもので、昇進が早い人はもっと上、遅い人はもっと下になります。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、公認会計士と税理士が同じ職種区分で集計されます※1。そのため公表値は税理士の年収も含んだ数字で、監査法人に勤める公認会計士の実感とは少しずれます。この記事の年齢別レンジは、その公的統計を土台にしつつ、監査法人の役職と年齢の対応関係で補正した目安です。年齢は入所を24歳前後と仮定して役職と対応させています。

年齢層 標準的な役職 年収の目安※1 この時期の特徴
20代前半 スタッフ 約500〜550万円 入所直後。同年代の平均を大きく上回る
20代後半 シニアスタッフ 約650〜800万円 入所3〜4年目で昇進し現場主査を任される
30代前半 マネージャー 約900〜1,100万円 入所5〜7年目で昇進。年俸制に移り1,000万円台へ
30代後半 シニアマネージャー 約1,200〜1,400万円 入所8〜10年目で昇進。独立・転職を選ぶ人も増える
40代 シニアマネージャー〜パートナー 約1,400万円〜 入所11年目以降にパートナー就任の道が開ける
50代 パートナー 約1,500万円〜 法人の経営に関与し報酬も業績連動

年収は厚生労働省 賃金構造基本統計調査(※1)を土台に、役職と年齢の対応で補正した目安です。公表値は税理士を含む区分のため、実額とは差が出ることがあります。

注目したいのは20代前半の時点です。入所1年目でも年収500万円台に届き、同年代の平均給与(国税庁の民間給与実態統計調査では20代前半でおよそ270〜300万円※6)を大きく上回ります。1年目の給与の内訳や手取りの実際は、公認会計士1年目の年収を月別にシミュレーションした記事で詳しく追えます。

一方で、30代前半から年収の個人差が一気に広がります。同じ年に入所しても、5〜7年目でマネージャーに上がった人と、まだシニアスタッフの人では200万円以上の差がつきます。年齢は年収を保証しません。年収を決めるのは、あくまで役職です。

役職別の年収を詳しく見る|スタッフからパートナーまで

役職が上がるほど年収の伸び幅は大きくなり、特にシニアスタッフからマネージャーへの昇進で200万〜300万円跳ね上がります。ここが監査法人のキャリアで最初の大きな山です。

スタッフ(入所1〜3年目)

入所してから3年ほどの期間です。年収は500〜600万円が目安。監査チームの一員として、現金や売掛金など個別の勘定科目の監査手続きを担当します。この時期は残業代が年収に大きく効きます。繁忙期にどれだけ残業したかで、同じスタッフでも年収が数十万円変わります。

シニアスタッフ(入所3〜4年目に昇進)

年収は650〜850万円。入所3〜4年目で昇進し、現場の主査(インチャージ)として、監査チームをまとめ、後輩スタッフを指導する立場になります。被監査会社の経理担当者とやり取りする機会も増え、責任の重さが一段上がります。この段階で「監査法人に残るか、事業会社やコンサルへ移るか」を考え始める人が多くなります。

マネージャー(入所5〜7年目に昇進)

年収は900〜1,200万円。ここから年俸制に切り替わり、賞与はなくなります。入所5〜7年目で昇進するのが標準で、複数の監査チームを統括し、監査の品質と進捗に責任を持つ管理職です。年収1,000万円の大台を越えるのがこのあたり。ただし、月給+賞与という形ではなくなるため、毎月の手取りは安定する代わりに、夏冬のまとまった収入という感覚はなくなります。

シニアマネージャー(入所8〜10年目に昇進)

年収は1,200〜1,500万円。入所8〜10年目で昇進する、パートナーの一歩手前のポジションです。より大きなクライアントや複雑な案件を任され、法人の経営会議に近い情報にも触れるようになり、パートナー就任を見据える立場になります。

パートナー(入所11年目以降)

年収は1,500万円以上で、上限はありません。入所11年目以降に就任の道が開ける、法人の共同経営者です。クライアントの獲得や法人運営にも責任を負い、報酬は担当クライアントの規模と法人の業績に連動するため、年によって変動します。監査法人でキャリアを積んだ会計士が目指す、一つの到達点です。

大手・準大手・中小で年収はどう違う?

スタッフ級では大手・準大手・中小の年収差はほとんどありません。差が開くのはマネージャー以上と、昇進スピードです。「大手のほうがスタート時点から年収が高い」というイメージは、実態とは少しずれています。

入所直後のスタッフでは、どの規模でも年収500万円台でほぼ横並びです。監査法人は業界全体で給与水準がそろっており、規模による初任給の差は小さいためです。違いが表面化するのは、扱うクライアントの規模と、昇進にかかる年数です。

区分 代表的な法人 スタッフ年収※2 マネージャー年収※2 特徴
大手(Big4) EY新日本/トーマツ/あずさ/PwC Japan 約540〜560万円 約1,000〜1,100万円 大企業・海外案件が中心。研修が手厚い
準大手 太陽/三優/東陽/仰星 約530〜550万円 約900〜1,000万円 成長企業やIPO支援。早期に裁量を持てる
中小 地域・特化型の法人 約500〜540万円 約850〜950万円 法人ごとの色が濃い。税務との兼業も

年収は各法人の公式採用情報をもとにした目安です(※2)。準大手は金融庁 公認会計士・監査審査会の定義による4法人です(※4)。スタッフ級はレンジが重なり、規模による差はほとんどありません。

大手(Big4)は、上場企業や海外にグループを持つ大企業を数多く抱えます。四半期決算や有価証券報告書、国際財務報告基準(IFRS)対応など、扱う業務が複雑で規模も大きいのが特徴です。そのぶん、マネージャー以上になると担当する監査報酬の規模が大きくなり、年収も上振れしやすくなります。

準大手は太陽・三優・東陽・仰星の4法人です※4。成長企業や新規上場(IPO)を目指す会社の支援に強く、入所して早い段階から主担当を任される機会が多い傾向があります。昇進スピードが速ければ、年収の伸びも大手に引けを取りません。「大手より1〜2年早くマネージャーに上がれた」という声も珍しくありません。

中小監査法人は、法人ごとに給与体系も業務内容も大きく異なります。ひとくくりにして「年収が低い」と決めつけるのは危険です。税理士業務を兼業できる法人では、監査業務の年収に税務の収入が上乗せされ、結果的に大手と変わらない水準になるケースもあります。中小を検討するなら、法人ごとに年収レンジを直接確認するのが現実的です。

規模ごとの働き方や向き不向きは、公認会計士の年収の現実を最新データで整理した記事でも掘り下げています。数字だけでなく、その年収を得るための働き方まで見ておくと選択を誤りません。

額面と手取り|監査法人の年収の実態

年収600万円の場合、税金と社会保険を差し引いた手取りはおよそ460〜480万円です。額面の年収がそのまま使えるわけではない点は、最初に押さえておきたいところです。

給与からは健康保険・厚生年金・雇用保険の社会保険料と、所得税・住民税が引かれます。おおまかに言うと、年収600万円台なら手取りは額面の78%前後、年収1,000万円を超えると税率が上がるため手取り率は72%程度まで下がります※5。年収が上がるほど、額面と手取りの差は広がります。

額面年収 手取りの目安※5 手取り率の目安 該当する役職
550万円 約435万円 約79% スタッフ
750万円 約570万円 約76% シニアスタッフ
1,050万円 約760万円 約72% マネージャー
1,400万円 約970万円 約69% シニアマネージャー

所得税・社会保険料は国税庁の税額表などをもとに試算した目安です(※5)。扶養や控除により実際の手取りは前後します。

入所1年目に特有の注意点もあります。前年の所得がゼロの新規論文式試験合格者は、1年目だけ住民税がかかりません。2年目から住民税の天引きが始まるため、昇給しても「2年目のほうが手取りが少なく感じる」ことがあります。これを知らないと、給与明細を見て戸惑うことになります。

もう一つ、監査法人には資格手当や家賃補助は基本的にありません。転勤も基本的にないため、地域手当が大きく効くこともまれです。年収を判断するときは、「額面」から手当をあてにせず、税・社会保険を引いた手取りで生活設計を考えるのが安全です。年収の中央値という視点で全体像を掴みたい人は、公認会計士の年収の中央値を解説した記事も参考になります。

監査法人で年収を上げる方法|昇進と選択肢

監査法人で年収を上げる最短ルートは、昇進を早めることです。初任給を1万円多くもらうより、マネージャー昇進を1年早めるほうが、生涯年収へのインパクトは圧倒的に大きくなります。

昇進を早めるには、現場での評価を積み上げることが基本です。主査として案件を回せるか、後輩を育てられるか、被監査会社と信頼関係を築けるか。こうした「監査の力」がそのまま昇進スピードに直結します。年収を意識するなら、額面を気にするより、任される仕事の幅を広げることに集中したほうが結果的に年収も伸びます。

もう一つの選択肢が、監査法人の外に出るキャリアです。シニアスタッフからマネージャーの時期に、事業会社の経理・財務、コンサルティングファーム、FAS(財務アドバイザリー)へ転じる人が多くいます。監査で培った専門性は市場で高く評価され、転職で年収が上がるケースも珍しくありません。

年収を上げる方法 期待できる効果 向いている人
法人内で昇進を早める 役職が上がり年収が段階的に増加 監査業務を深めたい人
大手や準大手へ移る クライアント規模が上がり年収の天井が上がる より大きな案件を扱いたい人
事業会社・コンサルへ転職 専門性を武器に年収アップを狙える 会計以外の領域も経験したい人
独立して開業 収入の上限がなくなる(変動リスクあり) 顧客獲得まで見据えられる人

大切なのは、どの法人に入るかを「初任給」ではなく「その先の伸びしろ」で選ぶことです。同じスタート地点でも、昇進しやすい環境や、任される仕事の幅が広い環境を選べば、5年後の年収は大きく変わります。自分に合う法人の選び方は、年収以外の軸も含めて考えておくと後悔しません。

よくある質問(FAQ)

Q1. 監査法人の年収は何年目で1,000万円を超えますか?

大手では入所5〜7年目のマネージャー昇進で1,000万円を超えるのが目安です。年収は年齢ではなく役職で決まるため、昇進が早い人は5年目前後で到達することもあります。マネージャー以上は年俸制になり賞与はなくなりますが、額面の年収は着実に上がります。

Q2. 大手と準大手で年収に大きな差はありますか?

スタッフ級では差はほとんどありません。どの規模でも入所直後は年収500万円台で横並びです。差が開くのはマネージャー以上と昇進スピードで、扱うクライアントの規模が大きい大手のほうが上振れしやすい傾向があります。ただし準大手は早期に裁量を持てるため、昇進が速ければ年収の伸びは大手に引けを取りません。

Q3. 監査法人にボーナスはありますか?

スタッフとシニアスタッフには夏と冬の年2回の賞与があります。ただしマネージャー以上は年俸制に切り替わり、賞与はなくなります。年俸を12分割した形になるため、毎月の手取りは安定する代わりに、まとまった賞与という感覚はなくなります。

Q4. 監査法人に資格手当や家賃補助はありますか?

監査法人には基本的に資格手当や家賃補助はありません。転勤も基本的にないため、地域手当が大きく効くこともまれです。年収を見るときは手当をあてにせず、額面から税と社会保険を引いた手取りで判断するのが安全です。

Q5. 年収を上げるには転職と法人内での昇進、どちらが有利ですか?

どちらが有利かは目指す方向で変わります。監査を深めたいなら法人内で昇進を早めるのが基本で、役職が上がるごとに年収も段階的に増えます。会計以外の領域も経験したいなら、事業会社やコンサルへの転職で専門性を武器に年収を上げる道もあります。共通して言えるのは、初任給より昇進スピードや任される仕事の幅のほうが、生涯年収への影響が大きいということです。

まとめ:監査法人の年収は「役職」で読み解く

監査法人の年収は、年齢でも法人の規模でもなく、役職でほぼ決まります。スタッフで500万円台、マネージャーで1,000万円超、パートナーで2,000万円という階段を、昇進とともに上がっていく構造です。

だからこそ、就活で法人を選ぶときは初任給の額そのものより、その先の年収がどう伸びるかを見てほしいところです。同じスタート地点でも、昇進しやすい環境や任される仕事の幅で、5年後の年収は大きく変わります。

この記事の要点は3つです。年収は役職で決まること。マネージャー以上は年俸制で賞与がなくなること。大手・準大手・中小の差はスタッフ級では小さく、昇進スピードで開いていくこと。この3つを押さえたうえで、次は自分に合う法人を年収以外の軸も含めて確かめてみてください。

参考文献・出典