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公認会計士の1年目は何が起きる?年収・仕事内容を完全解説!

公認会計士の1年目は何が起こる?

「公認会計士1年目って、実際どんなことをするの?」「年収はいいと聞くけど、本当に満足できるのか不安…」そんな疑問を感じていませんか?

公認会計士試験に合格したあなたは、知的な努力を乗り越えた一握りの存在です。しかし、試験合格はゴールではなくスタート。監査法人に入社してからの1年は、プロフェッショナルとしての基礎を固める極めて重要な時期です。

本記事では、公認会計士1年目の仕事内容・年収・働き方・成長の壁まで、リアルな実態を余すことなく解説します。読み終えたときには、「自分のキャリアをどう描くか」がはっきり見えてくるはずです。

公認会計士の1年目、実際どんな仕事をするのか?

公認会計士試験を突破したあなたにとって、監査法人での初年度は“社会人”として、“専門職”としての第一歩です。ここでは入社直後の研修から、配属後に実際に取り組む業務、上司・先輩との関係性まで、1年目に経験する業務の全体像を具体的に紹介します。

入社直後の研修内容とは?

監査法人に入社してまず行われるのが「新人研修」です。期間はおよそ2〜4週間程度で、法人によってはさらに長く、実務に近いロールプレイングまで行うケースもあります。

主な研修内容は以下の通りです:

  • 会計基準・監査基準の再確認
  • Excelスキルや会計ソフトの使い方
  • 監査手続の流れとリスク評価
  • 社内マナー・セキュリティ研修

これまで学んだ知識を実務に活かすための“橋渡し”として、座学に加えてグループワークや現場想定の演習も組まれています。

担当する業務:監査の基礎と現場対応

配属後は、さっそく被監査会社先での実務が始まります。1年目が担当する主な業務は以下のようなものです。

  • 証憑突合(請求書や契約書の確認)
  • 現金・預金の実査
  • 試算表や元帳のチェック
  • Excelによる監査調書の作成

「これって単純作業では?」と思われがちですが、実は“監査の土台”を支える極めて重要な役割です。これらの作業を通じて、企業会計の構造や内部統制の考え方が体感的に理解できるようになります。

また、被監査会社の担当者とのやり取りを通じて、ビジネスマナーや伝え方の工夫も自然と身につくでしょう。

上司・先輩との関わりとフィードバック文化

監査法人の現場は“チーム単位”で動くのが基本です。マネージャー(管理職)やインチャージ(現場責任者)、先輩スタッフと共に仕事を進める中で、日々指導やフィードバックが得られます。

とくに特徴的なのが、「フィードバック文化」の浸透度です。

1年目であっても、レポート提出や被監査会社対応のたびに「よかった点」「改善点」を口頭やメールでフィードバックしてもらえます。

例えば:

  • 「数字の根拠をもっと丁寧に書こう」
  • 「被監査会社のメールには先に結論を書いてから理由を書くと伝わりやすい」

といった指摘を受けることで、スキルが加速度的に高まります。

1年目の年収はどれくらい?残業・ボーナス事情も解説

入社直後の研修を終えると、気になるのが「給与」や「働き方」ではないでしょうか。ここでは、公認会計士1年目の平均年収から、残業・ボーナスの実態、他業界との比較までをリアルに解説します。

月給・初年度のボーナス実例

公認会計士1年目の平均年収は、おおよそ450〜550万円です。これは一般的な新卒と比べて高めの水準であり、特に大学卒業後すぐに監査法人へ入社する人にとっては、安定した収入といえます。

具体的には、以下のような構成が多いです:

  • 基本給:月30〜35万円程度
  • 賞与(年2回):夏・冬合わせて2〜3ヶ月分
  • 残業代:繁忙期に加算される

監査法人では残業代がしっかり支給されるため、繁忙期の働き方次第では年収が600万円近くに達するケースもあります。

繁忙期の残業代・手当はどうなる?

監査法人の1年目に避けて通れないのが「繁忙期」です。

特に12月決算の企業の監査が集中する1〜4月は、深夜残業や休日出勤が発生します。ただし、その分の残業代は厳格に管理され、1分単位で支給する法人もあるほど。

また、以下のような手当が充実しています:

  • 通勤・出張手当
  • 繁忙期特別手当(法人によって異なる)
  • リモートワーク環境支援金

忙しい時期は確かにありますが、報酬面でのリターンが明確であることが、監査法人の特徴です。

他業種と比較して年収は高いのか?

新卒1年目の一般企業の平均年収が約300〜350万円といわれる中で、公認会計士1年目は明らかに上回っています。

特に20代前半のうちから年収500万円前後を得られる職種は、専門職の中でも限られています。

さらに、年次が上がるごとに昇給率も高く、3〜5年目で年収700〜900万円に届くケースも珍しくありません。

このスピード感は、専門性と成果が正当に評価される職種ならではの特徴です。


つまり、1年目はハードだが、それに見合う報酬と成長機会があるのが監査法人の実情です。

次では、そんな忙しい1年目の「実際の働き方」やスケジュール感について詳しく見ていきましょう。

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公認会計士1年目のスケジュール感と繁忙期

「1年目って、ずっと忙しいの?」——就職を控えた公認会計士試験合格者がよく抱く不安のひとつです。ここでは1年間を通じた繁忙期・閑散期の違いや、1日の働き方、休暇取得の実情までリアルなスケジュールを紹介します。

1年を通して忙しい時期とそうでない時期

監査法人の業務は被監査会社の決算スケジュールに大きく左右されます。

特に3月決算企業(上場会社に多い)の監査は4〜6月に集中しており、この時期が「超繁忙期」です。

以下は一般的な年間スケジュールのイメージです:

  • 1〜3月:年明け監査の事前準備/年末決算企業の監査本番(繁忙)
  • 4〜6月:3月決算企業の監査(最大の繁忙期)
  • 7〜9月:四半期レビューや研修期間(比較的穏やか)
  • 10〜12月:年末決算企業の準備開始(徐々に繁忙)

1年目は上半期に慣れるのに苦労し、下半期にかけて徐々に業務を主体的にこなせるようになる流れが一般的です。

日常業務と繁忙期のタイムスケジュール例

通常期のスケジュール例(9:30〜18:00)

  • 9:30 チーム朝会、メールチェック
  • 10:00 監査手続きの資料確認
  • 12:00 昼休憩
  • 13:00 レビュー対応、先輩との会話で知識習得
  • 15:00 監査調書の作成
  • 17:30 上司へ進捗報告・質問
  • 18:00 退勤(※繁忙期でなければ定時上がりも可能)

繁忙期のスケジュール例(9:30〜22:00)

  • 9:30 被監査会社訪問 or Zoom会議で日次確認
  • 10:00 監査手続きの対応(現場対応含む)
  • 12:00 昼食(被監査会社ビルの近くで済ますことが多い)
  • 13:00 大量資料の確認作業、エビデンス取得
  • 17:00 上司・マネージャーへ報告/レビュー
  • 19:00 レビュー戻り分の修正対応
  • 21:30 最終報告・翌日の準備
  • 22:00 退勤(繁忙期にはありがち)

とはいえ、長時間労働は恒常的ではなく、繁忙期に集中する傾向にあります。

休日・休暇はしっかり取れるのか?

「忙しすぎて休めないのでは?」という心配をよく聞きますが、実際には年間120〜130日程度の休日は確保されています。

特に、以下のような休暇制度が整っています:

  • 有給休暇(初年度10日〜)
  • 夏季休暇(法人によっては連続5日などの取得推奨あり)
  • リフレッシュ休暇(2〜3年目以降から制度適用)

繁忙期を終えた後は「閑散期に長めの休みを取る」文化が根付いている監査法人も多く、旅行や実家帰省をする新人も少なくありません。


このように、公認会計士1年目は確かに忙しさの波があるものの、スケジュールはある程度コントロール可能で、休暇制度も意識的に活用されているのが実情です。

次では、そんな変化の激しい1年目で起こりがちな“つまずき”と、それをどう成長機会に変えるかを見ていきましょう。

公認会計士1年目の「つまずき」と「成長ポイント」

どんなに優秀な公認会計士試験合格者でも、現場に出れば誰もが初心者。1年目は「知識はあるけど実務は初めて」というギャップに苦しむ時期でもあります。しかし、その中での“失敗”や“学び”こそが、将来の成長を大きく左右します。ここでは、よくあるつまずきと成長のコツを具体的に紹介します。

よくある失敗パターンとその回避法

1. 期限感覚のズレ

新人が最も苦戦するのが、「自分の作業スピード」と「チーム全体の進行速度」のズレです。監査現場では、個人作業が遅れるとチーム全体の提出期限に影響します。

回避法:タスク着手時に、先輩へ「この資料はいつまでに必要ですか?」と確認する習慣をつけること。

2. 指示の理解不足

先輩からの指示を「はい」と受け取っても、実際に作業を始めると「何を求められているのか」が曖昧なまま進めてしまうケースも多いです。

回避法:指示を受けたら、必ず自分の言葉で要点を復唱して確認する。

3. 完璧主義に陥る

真面目な人ほど「自分の作業を完璧に仕上げよう」として、報告を後回しにしがち。結果的に遅延や修正が増えることもあります。

回避法:「6割できたら一度報告」を心がける。早めにレビューをもらうことで、効率的に成長できます。

成長を加速させる3つの行動習慣

1. メモを「取りっぱなし」にしない

業務中に得た知識や注意点をメモするだけでなく、一日の終わりに5分で“復習”することが成長を早めます。

「どんな質問をされたか」「なぜ指摘を受けたか」を振り返ることで、記憶が定着します。

2. フィードバックを“次回に活かす”

先輩や上司からの指摘は、評価ではなく成長のチャンス

「次回はこう直します」と一言添えることで、前向きな印象を与え、信頼関係が築けます。

3. 数字に強くなる意識を持つ

公認会計士は数字を扱う職種ですが、実務では“会計データの背景”を読む力が求められます。

「この数字が増減したのはなぜか?」を自分なりに考えてから報告するだけで、上司の評価が大きく変わります。

先輩から見た“伸びる新人”の特徴

先輩会計士たちは、どんな新人を「伸びる」と感じるのでしょうか。

現場の声をもとにすると、次の3つが共通点として挙げられます。

  • 報・連・相(報告・連絡・相談)が早い
  • 指摘を素直に受け止め、改善スピードが速い
  • チームの空気を読み、サポートを惜しまない

これらはどれも特別なスキルではなく、意識次第で誰でも身につけられる基本姿勢です。

公認会計士1年目は「一生の仕事の土台」をつくる時期。小さな改善の積み重ねが、数年後のキャリアの差を生み出します。


次の章では、こうして得た経験が「1年目を終えたあと、どのようにキャリアを広げていくか」につながるのかを見ていきましょう。

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1年目を終えたあとのキャリア展望と選択肢

公認会計士としての1年目を乗り越えたあなたには、より広いキャリアの可能性が広がっています。ここでは、1年目の経験がどのように今後のキャリアに活きるのか、そして実際に先輩たちが選んだ道について紹介していきます。

公認会計士2年目以降のステップ

2年目以降は、担当範囲の拡大レビュー担当へのステップアップが一般的です。特に中小監査法人では、早ければ1年目の終わりごろから後輩のOJT担当を任されることもあります。

また、上場企業を中心とする監査や、IPO準備企業、海外子会社の監査など、より専門的な業務へのアサインが始まるのもこの時期。これらの経験が、“市場価値”を高める第一歩となります。

転職・異動という選択肢も視野に

公認会計士は、監査法人の外でもニーズが非常に高い職種です。特に以下のようなキャリアチェンジが人気です:

  • 事業会社の経理・財務部門(経理マネージャー候補など)
  • コンサルティングファーム(FAS、M&Aアドバイザリー)
  • スタートアップのCFO候補
  • 税理士法人・会計事務所(税務スキルの習得)

特に1年目から“自主的に動いていた人”は、外部でも高く評価されやすく、20代半ばで年収700〜800万円に到達するケースも珍しくありません。

キャリアを広げるためにすべき準備

1年目を終える頃には、将来の方向性を意識した学習と実績作りが重要になります。おすすめは以下の3つ:

  1. 日々の業務に目的意識を持つ 「なぜこの監査手続を行っているのか」「この業種ならではのリスクは何か」といった背景を理解しながら仕事をすることが、将来の専門性につながります。
  2. 副次的スキルを習得する Excelの関数やピボット、Power BI、英語など、業務以外のスキルが転職市場では高く評価されます。
  3. 社外のネットワークを広げる 他法人の会計士や、業界研究会、セミナーなどに積極的に参加し、視野を広げることで、早期からキャリアの選択肢が明確になります。

1年目で得た経験を「基礎」にしながら、2年目以降に“どんなキャリアを描きたいか”を意識することが、長期的に見て成功への鍵になります。

公認会計士1年目のリアルを知ったあなたへ

あなたはこの記事を読んで、「公認会計士の1年目に何が起きるのか」「どんな働き方や成長機会があるのか」について、少しでもイメージを持てるようになったでしょうか?

もし「まだ不安がある」「もっとリアルな情報が知りたい」と感じているなら、それは成長意欲が高い証拠です。この記事で紹介したように、1年目の経験は、将来のキャリアの土台を築く大切な時期です。年収や仕事内容、よくあるつまずき、そしてその先のキャリアパスまで、知っておくことで「選ばれる側」ではなく「選ぶ側」になれるはずです。

就職先に悩むあなたへ伝えたいのは、「1年目で全てが決まるわけではない」ということ。けれど、1年目の過ごし方次第で、その後の成長スピードや選択肢は大きく変わります。

公認会計士試験に合格した今が、キャリアのスタート地点です。自信と誇りを持って、次の一歩を踏み出してください。あなたの1年目が、充実した未来につながることを心から願っています。

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